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第三章・6

 幸い藍の微熱は下がり、健康を取り戻しつつあった。 「だが君は、もう少し食べたほうがいいな」 「いつもこんな御馳走、ありがとうございます」  朝食の席には、パンだけでも7種類ある。  この中から、好きなものを選んで食べなさい、というのだ。 「全種類、食べたくなっちゃいます」 「君は素直だな」  流麗なフルートの調べを聴きながら、優雅な食事を摂る。  ほんの数日前までは、考えられない環境だ。  パンにはかぶりつかないで、少しずつちぎって食べる。  そんなマナーも、雅貴の素振りを見ながら覚えた。  今日は、その雅貴が嬉しいことを言ってきた。

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