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第四章 夢なら、覚めないで。
幸樹の客室から始まって、雅貴は屋敷内を二人で巡った。
ここが、オーディオルーム。
こちらは、ビューイングルーム。
そして、書斎……。
そんな数多くの部屋を廻る間に目にしたのは、回廊を彩る美術品だった。
鮮やかな風景画。
滑らかな白磁の壺。
そして……。
「あ、金魚!」
藍は思わず、金魚の泳ぐ水槽に駆け寄った。
「君は、金魚が好きなのか?」
「はい」
夢中で眺める数匹の大きい金魚は、ランチュウという。
一尾300万円という値段を知れば、藍は尻込みしただろう。
「赤い べべ着た かわいい金魚……」
思わずこぼれた藍の歌に、雅貴は微笑んだ。
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