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第四章・4
二人で金魚をしばらく見ていたが、やがて藍が病気の個体を見つけた。
「この子、尻尾が少し白くなってます」
「本当だ」
すぐに業者を呼んで、処分させよう。
そう言う雅貴に、藍は目を見張った。
「処分、って。殺しちゃうんですか?」
「そのままにしておくと、他の金魚に伝染するだろう」
「可哀想です!」
何と、と今度は雅貴が目を見張った。
「たかが金魚だ。インテリアの一種に過ぎない」
「でも、生きてるんですよ!?」
せめて一匹だけ別に移して、治療をしてほしい。
藍は、食い下がった。
「解った。この金魚は、君に任せよう」
「ホントですか」
「金魚のプロに教えてもらって、治療をしてあげてくれ」
「ありがとうございます!」
アクアスポットに連絡を入れると、すぐに駆け付ける、との返事だ。
「では、君が金魚に夢中になってしまう前に、最後に私の部屋を紹介しよう」
二人は再び、回廊を歩き始めた。
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