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第五章・7

「いやぁあ! いやだぁあ!」 「藍くん!?」  絶叫し、暴れる藍を、雅貴はとっさに抱きしめた。  小さな体でもがく藍の肩や背中を撫でさすり、必死でなだめた。 「藍くん、大丈夫だ! 私だ。雅貴だ。解るか!?」 「助けて! 助けて、雅貴さん!」  大きな体ですっぽりと藍を抱きとめ、雅貴はその髪を撫でた。 「ここは、私の屋敷だ。怖い君の家じゃない。安心していいんだ」 「うぁ、あ。あ……、雅貴さん?」 「目が覚めたか」  涙に濡れた藍の頬を、雅貴は指でぬぐった。 「全部、夢だ。君の家は、ここだ。どこにも行かなくて、いいんだ」 「雅貴さん!」  藍は、雅貴の胸に顔をうずめて泣いた。

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