48 / 111

第七章 愛しているかもしれない

 雅貴に胸を舐められ、藍は身を震わせていた。 (僕、いけない子だ。もっとして欲しい、って思っちゃってる) 「藍くん、寒いのか? 大丈夫か?」 (雅貴さんは、こんなに僕のこと心配してくれてるのに) 「雅貴さん」 「何だ?」 「もう少し、舐めてください。ここ」  は、と雅貴は我に返った。  思わずとった行動だったが、セクシャルだったか?  それほど、藍の声は潤んでいた。 「いや、それは」 「お願い」  か細い声で乞われると、ダメだとは言えない。  雅貴は、藍の胸に顔をうずめた。  舌先でなぞった後、じっくりと舌腹で舐める。  藍はその行為に、どんどん熱くなっていった。 (ああ、ダメ。いけない)  そう思っても、腕は勝手に雅貴の頭を抱え込む。 「んっ、う。あ、はぁッ」  甘い声が、漏れる。  雅貴もまた、そんな藍に溺れてゆく心地を感じていた。

ともだちにシェアしよう!