51 / 111

第七章・4

 じっくりと、途中で何度か止まりながら、雅貴は藍に挿れていった。 「痛くないか?」 「大丈夫……」  ああ、恥ずかしい。  僕の中に、雅貴さんが挿入ってくる。  でも、こんなにも嬉しい。  体が、雅貴さんで満たされる。  心も、雅貴さんでいっぱいになっていく。  はぁっ、と深く大きな息をついた時、雅貴は全て藍の体内に飲み込まれていた。 「動いても、平気か?」 「……」  返事はせずに、藍は首を一回だけ縦に振った。  それを合図に、雅貴はゆっくり腰を退いた。  内壁が逆らい、粘っこく絡みついてくる。  そうかと思えば、急に締め付けてくる。 (継父が彼に執着するはずだ)  それほど、藍の体内は心地よかった。  体の中心から脳まで、快感が爆ぜる。  雅貴は、自分を保つことだけで精いっぱいだった。

ともだちにシェアしよう!