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第七章・5
ローションを使っていないのに、藍の体は滑らかに雅貴を受け入れていた。
「あ、はぁっ! あっ、あッ、あぁん!」
行為の間は、やめて、としか言わなかった藍は、初めて歓喜の声で啼いていた。
精がこぼれ、何度も腹を、内股を濡らす。
下半身をぐちゃぐちゃにしながら、藍は数回目のオーガズムに達していた。
「あぁ! 僕、僕またッ! あ、はぁ、あ。んんあぁ!」
「藍、そろそろ私も終わりそうだよ」
「雅貴さん、中に! 僕の中に、出して!」
「いいのか?」
「お願い! 中でなきゃ、嫌だ!」
解った、と雅貴は腰を奥まで挿れて震わせた。
「んぁ! あ、あぁ。ッあぁああ!」
藍もまた腰を引き攣らせながら、最後の精を吐いた。
その腰を雅貴は何度もさすり、藍の震えをなだめ続けた。
「んぅ、う。くぅ。ふ、うぅう……」
「リラックス、して」
藍が落ち着いたころを見計らって、雅貴は彼からその身を抜いた。
そして、もう一度キスをした。
「藍、素敵だったよ」
「雅貴さん……」
うっとりとした眼差しは重くなった瞼に隠れ、やがて藍は寝入ってしまった。
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