90 / 111
第十二章・4
「藍、どうかな。庭の準備は」
「はい。渡辺さんに相談したら、いいんじゃないか、って」
ふむ、と雅貴は笑顔になった。
「私には、内緒なのかな?」
「びっくりさせたいな、と思ってます」
藍の表情は、自信半分、不安半分、といったところだ。
「大丈夫。藍の考えなら、きっと私の気に入る」
「ありがとうございます。でも……」
「ん?」
「もう。どうしてさっきから、僕の、その……」
先ほど一度愛し合ったばかりなのに、雅貴はその指で藍の小さな乳首を転がしているのだ。
「明日は仕事が休みなんだ。もう一度、いいかい?」
「……はい」
二人はキスをし、互いの体を擦り付け合った。
「あ、はぁ……」
「藍、素敵だよ」
ゆったりと抱き合い、求める。求め合う。
体を合わせ、心を合わせ、幸せなひとときを味わう。
そんな行為も、二人の間ではすでに習慣になっていた。
ともだちにシェアしよう!