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第十二章・4

「藍、どうかな。庭の準備は」 「はい。渡辺さんに相談したら、いいんじゃないか、って」  ふむ、と雅貴は笑顔になった。 「私には、内緒なのかな?」 「びっくりさせたいな、と思ってます」  藍の表情は、自信半分、不安半分、といったところだ。 「大丈夫。藍の考えなら、きっと私の気に入る」 「ありがとうございます。でも……」 「ん?」 「もう。どうしてさっきから、僕の、その……」  先ほど一度愛し合ったばかりなのに、雅貴はその指で藍の小さな乳首を転がしているのだ。 「明日は仕事が休みなんだ。もう一度、いいかい?」 「……はい」  二人はキスをし、互いの体を擦り付け合った。 「あ、はぁ……」 「藍、素敵だよ」  ゆったりと抱き合い、求める。求め合う。  体を合わせ、心を合わせ、幸せなひとときを味わう。  そんな行為も、二人の間ではすでに習慣になっていた。

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