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第十四章 季節が巡る。景色が変わる。
雅貴さん、とベッドの上で藍はその名を呼んでいた。
「何だい」
「雅貴さんの御両親は、何て……?」
見事な雅貴の裁きによって、藍の継父の問題は片が付いた。
だが、二人が結ばれることを、雅貴の両親はどう思っているのだろう。
藍は、それが気がかりだった。
「大丈夫。先だっての観月会の前に、電話をしておいたよ」
「反対されませんでしたか?」
「今回ばかりは、両親の無関心さに感謝したよ」
『今のお前が選んだ人ならば、問題はないだろう。好きにしなさい』
これが、両親の答えだった。
「良かった!」
藍は、横になっている雅貴に抱きついた。
「おいおい」
笑う雅貴も、藍の体に手を回す。
抱き合い、キスをした。
「……雅貴さん」
「何かな?」
「とぼけないでください。何、硬くなってるんですか?」
「バレたか」
雅貴のペニスは一休みの間に、すっかり回復していた。
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