103 / 111

第十四章・2

「藍、好きだよ」 「雅貴さん」  名を呼び合いながら、再び一つになった。 「藍、人のことは言えないな。すごく濡れてるよ」 「やだ。恥ずかしいです」  雅貴の突き上げに揺さぶられながら、藍は観月会で見た名月を思い出していた。  とろけるような、金の月。  その時、輝く月が自分の中に宿った心地を覚えていた。 「んッ、あ。はぁッ! うっ、うぅッ、んんぅ!」 「藍、君の体、どこか変わった?」  雅貴は藍の体を味わいながら、今までと違うエロスを感じていた。  内面から滲み出るような、濃厚なフェロモン。  まだ未熟な体と、誘い惑わす色気とのギャップに、雅貴は酔った。 「ああ、藍。私の……」 「あぅう! はぁ、はぁ、あぁ! んぁ、んぁう、雅貴さんッ!」  二人で手を合わせて指を絡め、一つに溶け合った。

ともだちにシェアしよう!