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第十四章・4

「んぁあ! 僕、僕もうダメぇえ!」 「まだだよ、藍。もう一回だ」  挿れたまま、雅貴は二度三度と精を放った。  腰を入れ、藍の肌を叩く音が、ぱんぱんとリズミカルに響く。  併せて、淫靡な水音が、ぐちゅっぐちゅっと鳴る。 「やだぁあ。雅貴さん、凄い……ッ! んぁ、あぁ。あぁああ!」 「フィニッシュだ、藍」 「はぅ、う! ッく、うぅあぁあ!」  藍の腰をしっかりつかんで、雅貴はその体に精を塗り込んだ。  抜かずとも、放った体液が藍からあふれかえって来る。  熱く火照った体を、雅貴は抱きとめた。  糸の切れた人形のようにぐったりとしたその体を、愛おしくさすった。 「ああ。藍、すごく悦かったよ……」 「んぅ……」  そっと体を抜き取ると、大量の精がとろとろと流れ出てきた。 「これは……、少しやり過ぎたかな」 「んぁ。さっきから、そう言って……」  ごめんよ、藍。 「だけど君、ホントに発情したんだな。まだ頭が痺れてる」 「そうなんでしょうか?」 「Ωのフェロモンだよ。すごく効いた」 (お月様のせい、かなぁ)  まだ息を弾ませながら、藍はそう考えていた。

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