105 / 111
第十四章・4
「んぁあ! 僕、僕もうダメぇえ!」
「まだだよ、藍。もう一回だ」
挿れたまま、雅貴は二度三度と精を放った。
腰を入れ、藍の肌を叩く音が、ぱんぱんとリズミカルに響く。
併せて、淫靡な水音が、ぐちゅっぐちゅっと鳴る。
「やだぁあ。雅貴さん、凄い……ッ! んぁ、あぁ。あぁああ!」
「フィニッシュだ、藍」
「はぅ、う! ッく、うぅあぁあ!」
藍の腰をしっかりつかんで、雅貴はその体に精を塗り込んだ。
抜かずとも、放った体液が藍からあふれかえって来る。
熱く火照った体を、雅貴は抱きとめた。
糸の切れた人形のようにぐったりとしたその体を、愛おしくさすった。
「ああ。藍、すごく悦かったよ……」
「んぅ……」
そっと体を抜き取ると、大量の精がとろとろと流れ出てきた。
「これは……、少しやり過ぎたかな」
「んぁ。さっきから、そう言って……」
ごめんよ、藍。
「だけど君、ホントに発情したんだな。まだ頭が痺れてる」
「そうなんでしょうか?」
「Ωのフェロモンだよ。すごく効いた」
(お月様のせい、かなぁ)
まだ息を弾ませながら、藍はそう考えていた。
ともだちにシェアしよう!