夏樹のご自慢の宝剣は無反応だ。 　涙に濡れた大きな目が美味そうに見える。腹が減った。早く欲しい。さみしい。満たして欲しい。 　繰り返しキスをしたところで、夏樹は苦しそうな顔をしていた。普段なら敏感に反応する場所も、反応が薄い。それが申し訳ないのか何なのか、彼はまた浅い呼吸を繰り返している。過呼吸にならないように、キスをする。効果があるかはよくわからない。だが、しないよりはしたほうが良いはずだ。 　……無反応のままだな。 「夏樹」 「ご、ごめんっ！」 「……『タッチ』」 　私がいくら触っても無反応なら、どうしようもない。それなら、夏樹に触れさせよう。 　彼の手を掴んで、私の胸に触れさせる。やはり胸は好きなようですぐに揉まれた。奇妙な感覚が広がっていく。体の中心に熱が集まって、こちらも触ってもらいたくなる。ここだけじゃない。いたるところを、触ってもらいたい。 「ぁっ、ああっ！　ん、ぁア」 「小焼すんごいえっちだ」 「ばかぁ！」 「ん。バカだよ」 「なつ、き……！　こっ、ちも」 「あいあい」 　手が腰を撫で、下着ごとズボンを下ろす。そのまま丘を撫でられ、指先が襞をつつく。 　ほしい。はやくほしい。自分でもひくついているのがわかる。変な羞恥心がおこる。 「ヒッ！　ぁ……！　ああっ！」 「小焼、こんままじゃしづらいから、下りてくれっか」 「ぃや」 「へっ！？　嫌なら仕方ねぇな。それならローション取ってくれ」 　ローションを取って夏樹に渡す。これだとまるでビッチのようだ。ぬめりが尻を撫でる。「入れっぞ」の声と共に中に指が入る。 「あー！　アァッ！　ん、ん……」 「おまえって、やっぱり綺麗だな……」 「ばかっ！　ば、かぁ！　ーーン。は、ぁ……」 　悲しそうに笑いながら言われた。 　普段なら喜んでいるはずだ。宝剣が抜けかけるくらいには……、興奮しているはずだ。 　それなのに、今は……無反応だ。私ばかり悦くなっている。 　夏樹に覆い被さるようにして、何度もくちづけた。舌を絡ませて、互いの酸素を奪い合う行為が心地良い。ぼうっと熱に浮いた感覚が好きだ。夏樹がもう少し喜んでいたならば。 　やっぱり、苦しそうにしている。不感症になったのか？ 　ブルマに横から手を差し入れ、ちんこを出す。欲しいのに、仕上がっていない。 　勝手に揺れる腰も、甘い吐息も、今の夏樹には関係無い。 「なつ、き！　にゃ、ぁ……っ、き……！　ほし、いーーもっ、と……！」 「ん。もっとか」 　中を擦る指が増えた、気がする。妙な圧迫感がある。 「あ、あのさ、小焼……。おれ、おまえがひとりでしてるとこ見たい……」 「急に、何言ってんですか」 「わかんない！　わかんないけど、見たくなったんだ」 　指が抜ける。さみしい。腹が鳴る。ほしい。夏樹が、欲しいのに。 「いつもおれがひとりでしてるとこ見てっだろ？　おれも、小焼がしてるとこ、見たい」