31 / 35
第31話
今回はきちんと3回で止まった。……まだしたそうだな。夏樹は脚をすり合わせて「はあはあ」言っている。暑い日の犬のように舌を出してるから、本当に犬っぽい。
「まだしたいんですか?」
「だ、だいじょうぶ! 小焼が、3回までって言ったから、だいじょうぶ! おれ、がまんする!」
きちんと言うことを聞くくらいには理性が残っているようだ。前は欲望のままに動いていたから、けっきょく何回したんだったか……。3回以上ヤッたことだけは覚えている。お陰でゴムを新しく買ったんだった。そろそろローションも追加購入しないとな。夏樹はきちんとこういうのを使ってするタイプだ。本能のままにめちゃくちゃに抱こうとしない。強姦なんてできないタイプだと思う。……私相手にできるとは思えないが。
「我慢したら体に悪いって学会で発表されてませんでしたか?」
「う、うん。そういう論文も読んだことあっけど……、小焼が3回までって言ったから…………」
今日は察しが悪いな。もっと興奮状態だったら「まだして良いのか?」と喜んで聞いてくるのに。それとも前回に叱りすぎたか。叱りすぎも悪いんだな。勉強になった。
かと言って、私から「もっとしたい」と言うと、とんでもない回数を付き合うことになりそうだ。私の意識がトンでも、続ける――なんてことはなさそうだが、7回はすると思う。
しばらく夏樹を見ていたら、ご自慢の宝剣を弄っていた。やはり足りないんだな。「しばらくしたら治まるから」とか言っていたこともあるはずなんだが……、治まるまで我慢できなかったらしい。
「夏樹。気持ち良いですか?」
「んっ、きもちぃ」
「どのへんが特に?」
「ここっ、おれ、ここ弄るの、好き」
「ここって何処ですか?」
「ぅぅっ、ここぉ……!」
単に頭が回ってなくて答えられないようだ。
先っぽを弄るのが好きらしい。あと、いつものように片手で乳首を摘まんでいるので、下半身さえ隠せば女の乳首に見えないか? 綺麗なピンク色をしているわけだし。いや、無理か。
仕方ないので手伝ってやるか。もう一度挿入してヤるのは付き合いきれないが、愛撫ぐらいならできる。
夏樹の乳首を摘まんでみる。「ひっ」と高い声を出して、射精した。……とどめをさしたか。
「いっそ、ここにピアスつけたらどうですか?」
「いやだぁ。痛そうだもん。ぴやぁっん!」
「何ですかその喘ぎ声。いつになったら治まるんですかこれ」
「わかん、ないぃっ! 小焼が触ったら、もっとしたくなるぅ」
触らないほうが良かったか? 放置プレイしても良いと思うが、どうせまたひとりでし始めると思う。
「夏樹。『タッチ』」
「おっぱい!」
今の彼の知能指数は1ぐらいか? それぐらいに間抜けな声で「おっぱい」と言われた。
どれだけ胸が好きなのかわからないが、私の胸を揉んだり頬擦りしたりしている彼は嬉しそうだ。尻尾があるなら、喜んでぶんぶん振っているような気がする。
「小焼のおっぱいはふかふかで触り心地が最高だ!」
「そりゃ良かったですね……」
そう言いつつ、夏樹は「パイズリしたい」って言ってきたので、仕方なく胸を寄せる。これで良いのかはいまいちわかっていないが、夏樹は嬉しそうに自分で腰を振って胸に擦り付ける。濃い雄のにおいがする。先端からガマン汁がたらたらと流れていた。
「フェラしましょうか?」
「いいっ! おれ、パイズリのほうが好き!」
「そうですか」
「あー、きもちいっ! もう出るっ! 出るぅ!」
「『待て』」
「ふぇえっ! ま、待つぅ……!」
夏樹の腰が止まる。寸止めになったんだろう。少し白い液体が先端から垂れている。大きな瞳が涙で潤んでいるので、ひどく煽情的だ。彼の頬に手を伸ばして顔を寄せて、唇を重ねた。驚いて少し開いた口に舌を挿し込んで、口内を舐める。舌を絡ませながらちんこを握って扱いてやる。
「アッ、あ、あ! 小焼っ、もっ」
「『待て』」
「ま、ま、まっ、ままま」
押さえたら射精できないツボというのをネットの記事で読んだ。そこを押しつつ、扱き続ける。夏樹が好きと言っていた先を弄り回す。尿道を責められるのが好きなのかもしれないな。何か方法があるかもしれないから調べておいてやるか。
「もっ、ゆるしてぇ、イキたいぃ……!」
「『よし』」
何に許しを乞うたかわからないが、許してやろう。
夏樹は私にぎゅうっと抱き着いてくる。手に熱い液体がまとわりつく。ドロドロだな……。
「……夏樹、『サイド』」
「ん。言われなくてもいる!」
「それなら良いです」
コマンドを言う必要もなかったか。夏樹は、私から離れようとしない。
……このまま、離れずにいてくれるなら、それで良い。それで、良いんだ。
ともだちにシェアしよう!