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第2話

リオンと出会ったのは、15年前の調度今頃。 今日みたいな、雲1つない晴天の日であった。 僕は家から一番近いという理由でキリスト教の幼稚園に通っていた。 キリスト教の幼稚だからと言って特別なことは何もしていない。 毎日11時からお祈りの時間があること。 お弁当の前にはちょっとばかり長い感謝の言葉を捧げること。 そして月に1度、住宅街に佇んでいる教会に出向き、神父様の説教を聞くこと。 それだけが他との違いだった。 6月⚪⚪日。 皆で教会へ赴く日。 14時過ぎという時間帯のせいもあり、気温は30度を越えていた。 教会までそう遠くないため歩いて行っていたが、背の低い園児たちにとっては特に、地面からの照り返しがきつかった。 当時5歳の僕は歩いている途中から頭がクラクラしてくるのを感じていたものの、先生に言い出せず我慢していた。 教会に着き毎度のように神父様が語り始める。 退屈して遊び始めてしまう子もいたが、僕は神父さんが話してくれるお話が楽しくて好きだった。 特に教会にいる神様のお話の時は。 「キリスト教では神様はただ一人と言われています。でも、私は複数の神の存在を感じているのです。神父である私の口からこんなことを言うのはおかしいかもしれませんね」 神父様はそう言ったあと、様々な教会を渡り歩く度にその教会ごとに違った神様がいて、教会を訪れる人々に祝福を与えているような気がするのだ、と話してくれる。 僕が大好きな話の筈なのに、頭が朦朧としていてこの日は話が上手く入ってこなかった。 そうこうしている間に神父様のお話が終わり先生が集合の合図をかける。 その声は僕の耳にも届いていて、園児には高さのある椅子から降りようとした。 その瞬間、急に目眩がして「落ちるっ!」と思い反射的に目を閉じた。 しかし、何時まで経っても衝撃は襲ってこない。 不思議に思いゆっくりと目を開ければ、僕はみたこともない程綺麗な男の人に抱えられていたのだった。 これが僕とその教会にいた神--リオンとの初めての出会いである。

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