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なにこれ

 軽く唇を啄み合う。途中で須藤のスイッチが入ったのが分かった。途端に、舌がするりと侵入してくる。思わず深いキスとなった。 「ん……ふっ……ん……」  慎弥が声を漏らす度、須藤の舌の動きが激しくなる。するっと須藤の右手が慎弥のTシャツの裾から入ってきた。腹辺りを撫でられて、慌てて唇を離す。 「ちょと、待てって。まだ会ったばっかだし、昼間だし……」 「いいじゃん。俺、スイッチ入った」 「だけど……」 「とりあえずヤろ。1回」 「……お前、なんだよそのまずは一発みたいな感じは。一体何回ヤるつもりなわけ?」 「……ヤれるだけ?」 「……いやいや、俺の体がもたないって。随分久しぶりだし」 「大丈夫だって。ゆっくりじっくりやったらいいから」 「その『ゆっくりじっくり』が怖いんだけど……」 「怖くないって。中村が楽しめるように色々持ってきたから」 「……何を?」  そう尋ねると、須藤がいそいそと、持ってきていた自分の荷物へと向かった。バックを開け、何やらごそごそと中を見ていたが、次々と中身を取り出し始めた。そこから出てきたモノたちに、慎弥は閉口せざるを得なかった。  なにこれ。  そう、須藤が出してきたのは、数々の『大人のおもちゃ』だった。他にもローションだの、ゴムだのそんなに要るかっ、という量のグッズが並ぶ。須藤にこんな趣味があったなんて。 「……おい。まさかこれを全部俺で試すつもりじゃないだろうな?」 「え? ……違うけど」 「なに、その変な()。お前、俺を殺す気か。こんなの全部使われたら再起不能になるって」 「いや、でも、中村ずっとしてないって言ってたから。こういうのの手を借りて『じっくりゆっくり』開発した方がいいかな思ったんけど」 「そんな手借りなくても大丈夫なぐらいには開発されてるからっ」 「……それ、どういう意味?」 「…………」  須藤の目が光ったような気がした。じっと慎弥を見つめると、口角を上げてニヤリと笑う。 「中村……自分でどれくらいしてた?」  そう言われて恥ずかしさに顔を赤くする。

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