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思いっきりやってやる
須藤の手が脇腹を撫でながら浮上してくる。胸の周りはまさぐるくせに、胸の尖りへは触れようとしない。ぎりぎりのところまでやってきては、また下へと降りていく。
「んっ……んうっん……」
その間も深いキスは止まらない。舌を絡ませ合い、唾液が混ざり合い、息苦しくなって唇を離そうとすると噛みつくように再び塞がれる。
壁へと押しつけられ、慎弥の両脚の間に須藤の体がぐっと入れられた状態で、かれこれ何分ぐらい経ったのだろうか。
数歩行けばすぐそこにベッドがあるのに。須藤にはここから一向に動こうという気配はなかった。服を着たままずっとこの状態で微妙な愛撫が続けられていた。
焦らされて慎弥のモノはもうすでにかなり大きくなっていたし、胸は須藤に弄られたくてうずうずしているのが分かった。分かっているくせに。須藤は知らんふりでキスと脇腹辺りを撫で続けていた。
堪らず両手で須藤の両肩を掴み、唇を引き剥がした。
「なあっ。いい加減触れよっ」
「何を?」
「乳首に決まってんだろっ。なんで焦らすわけ??」
「だって、欲しそうな顔が可愛いいから」
「そんなの可愛くない! 地獄だって、こっちは」
「そしたら自分で触ったらいいじゃん」
「…………」
こいつ。わざとだな。
さっきの『1人でやってます』情報を聞いた須藤は、おそらく見たいのだ。慎弥が自分でやる姿を。そんなことはもちろん避けたかった。恥ずかしさの極みだった。しかし。
心の中で葛藤する。たぶん、この男は自分の目的が多少なりとも達成できるまでは焦らし続けるに違いない。自分でやるも地獄。やらぬも地獄。
どうする、俺。
じっと期待に満ちた目でこちらを見ている須藤を見返す。どうせやるなら思いっきりやってやる。そう思って、両手を服の中に差し入れ、自分の胸へと運んだ。
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