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噛みついた

「はっ……あっ……あっ……」  腰全体が疼いて、自然に腰が動く。それと同時に無性に須藤が欲しくなった。須藤と繋がりたくなった。 「す……どう……」 「ん? ……気持ちいい?」 「ん……なあ……あっ……はっ……挿れて……くれる?」 「挿れて欲しい?」 「ん……あっ……」 「え~、どうしよっかな~」  須藤がわざと焦らすように指をぐりぐりと中で動かしながらゆっくりと答えた。慎弥はその刺激に両手で両脇のシーツをぎゅっと掴んでびくんと体をうねらせた。 「んあっ……ん」 「……今の凄えエロい。声」 「ちょ、挿れてってぇ! あっ……」 「でも~」 「お前っ! ほんと、爽やかじゃねーな! スポーツ選手のくせにっ……んうっ」 「そんなお願いの仕方だったら、挿れられません~」 「……あっ……おまっ……」  ぶん殴るっ!!  自分に余裕があったら絶対にそうするのに。主導権を須藤に握られている今、慎弥は限りなく無力に近かった。試合をコントロールする須藤の手腕はこんなところでも役に立つんだな、と妙なところで感心する。  その間も、須藤の指と舌攻撃が止まらない。媚薬の効果も相まって、慎弥の頭の中は思考回路が段々と停止しつつあった。 「あっ、ああっ……もっ……あっ……やっ……」  快感に耐えられなくなり、首を左右に振って嫌々してみせるが、そんなことで須藤の動きが止まるわけもない。というか、余計に激しくなるのは必至だった。  右の胸の尖りを勢いよく吸われ、左の尖りは人差し指と中指で強く挟まれてぐりぐりと弄られた。同時に須藤の指が敏感な箇所をゆっくりと撫でる。ビリビリとした快感が慎弥の体中を駆け巡る。 「ああんっ……もうっ……ダメっ……」  朦朧としてきた意識の中、無意識に体を起こす。きょとんとして顔を上げた須藤の唇に噛みついた。

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