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好きだ
「んうっ……はあ……ん」
舌を強く絡ませる。唾液が音を立て口端から漏れようと、お構いなしに須藤の唇を貪った。慎弥の動きが予想外だったようで、須藤は手の動きを止めて、ただ慎弥にされるがままになっていた。
ちゅうっと、須藤の唇を吸いながら離れた。唾液の糸が唇の間に生まれて伸びる。驚喜な顔をした目の前の須藤の瞳を熱く見つめながら、掠れた声で囁いた。
「挿れて」
「はい」
須藤が即答し、さっさと指を抜いて、ゴムを装着し、慎弥の両脚をぐっと持ち上げた。
「早く」
「はい、分かりました」
なぜか敬語で答えて、須藤がぐぐっと中に入ってきた。その中で擦れる感覚に再び快感が戻ってくる。
「ん……ああっ……」
須藤がゆっくりと腰を振り始めた。須藤のモノが中で軽く動くだけで、じわじわと疼きが広がり、激しくなっていった。
「ん……凄え、中、締まってる」
「あっ、あっ、んんっ、ああっ」
須藤が段々と抽送を早くしていく。その度にビクビクと慎弥の中も震えた。
「なんかっ……ビクビクしてるっ……あっ……あっ……」
「中村、ちょと緩めて。奥まで届かねー」
「だけど……勝手になるっ……んんっ……」
「リラックスしたら緩むから」
「この状況で……どうやってリラックスすんのっ……ああんっ」
半分キレて須藤に訴える。すると、須藤が繋がったままぐっと体を慎弥の方へ倒してきた。
「中村。俺の目ぇ見て」
そう言われて、快感に耐えるため強く瞑っていた目を開いて、目の前の須藤を見上げた。
うわ、男前。
綺麗な須藤の顔を眺めながら思う。その顔のまま、須藤が呟いた。
「好きだ」
「……須藤……ん……」
そのまま須藤がキスを落としてきた。ゆっくりと唇を吸われる。優しく舌がするっと入ってきた。ゆったりとした動きで舌を絡ませ合う。徐々に自分の体から力が抜けていく感覚がした。
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