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第27話
気づいたこと 1 (星side) R18
オレは、雪夜さんの餌じゃなくて。
オレは、雪夜さんのペットじゃなくて。
オレは、雪夜さんの重荷になりたくなくて。
……オレは、雪夜さんの恋人で。
「はぁ…んッ、ぅ」
昼間の明るい時間から雪夜さんとこんなことをしているオレは、雪夜さんに訊ねたいことを心の内に隠したまま快感に身を委ねている。
ゲームをプレイしていたはずの昨日の夜、雪夜さんと2人で寝転がっていたはずのベッド。疲れていないかと問い掛けたオレに、雪夜さんは微笑んでくれたけど……今日の朝、オレが先に起きてリビングに行った時、テーブルの上の灰皿に沢山の吸い殻があったのをオレは見つけてしまったんだ。
昨日の夜、オレがベッドで寝付く前には3本だった吸い殻。それが朝になって増えているってことは、オレが寝た後も雪夜さんが起きていた証拠で。
何か眠れないようなことがあったんじゃないかって、その原因はオレにあるんじゃないかって……オレは朝から心細くて、雪夜さんの服を着て気持ちを紛らわしていたのに。
お昼近くになっても起きてこない雪夜さんのことが心配になり、オレが雪夜さんを起こしに行ったら逆にオレがベッドに沈むことになってしまった。
疲れているのに無理させてしまったんじゃないかとか、まだ仕事が残っていたのにオレに合わせてゲームしてくれてたんじゃないかとか。
もしかしたら、いや……ないとは思うけれど、オレに隠れて雪夜さんはオレ以外の大切な人を見つけてしまって、その人と連絡を取っていたんじゃないかとか。
良からぬ想像を膨らませるだけ膨らませて、朝からナイーブまっしぐらなオレの心は快楽に流れされている場合じゃないはずなのに。
「っ…ゆき、やぁ」
オレのカラダはオレの心とは裏腹に、雪夜さんが与える柔らかい刺激を喜んで受け入れてしまう。本当は、昨日の夜オレが寝ていた時間に雪夜さんが何をしていたのか聞きたいのに。
聞きたいけれど、少し怖くて。
今は、今だけは、雪夜さんとひとつになって安心したい気持ちが俺の中でどんどん強くなっていくから。
オレの胸で遊んでいる雪夜さんの髪を掴んで、オレは雪夜さんの名前を呼んでいた。
「どーした、星くん?」
「ぁ、もっと…触っ、て…」
明るい時間にするのは、色んなところが見えてしまうから恥ずかしいと思っていたけれど。心は不安定だし、でもカラダは気持ち良くて……どうしたらいいのか分からないオレは、知っていることだけを雪夜さんにお願いした。
焦らされるのは少しだけ苦しいし、雪夜さんがオレに触れる手はとても優しいから、だからもっとして欲しいなんて思ってしまうんだ。
オレがちゃんと強請れば、雪夜さんはオレの頭の中を大好きな雪夜さんでいっぱいにしてくれる。こんなに大切に思ってもらえるんだって、大事にしてくれてるんだって、肌で感じることができるから。
久しぶりに触れ合えているカラダに、心もちゃんと追いついていくように。雪夜さんだけを感じられるように瞳を閉じたオレは、雪夜さんに抱き着いて次の刺激を待ち望む。
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