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夢と真実 15

「出なくて、いいんですか?」 ……この状況で、愛しの相手とのセックスよりも電話を優先する男なんざいねぇーよ、バカか。 と、俺の真下にいるのが星ではなく別の誰かだったなら、俺はそう言っているんだろうが。星以外のヤツを抱くことなんてないし、悪気があるようには思えない星を俺は無闇に傷つけることもできない。 こんな時、改めて自分の情けなさを感じるけれど。 「後で俺から折り返し連絡入れるし、仕事関係じゃねぇーからお前は心配しなくていい……んなことより、おあずけ喰らわせて悪かったな」 「んっ、ぁ…」 スマホに向いてしまった星の意識を俺に戻すため、俺はまた1からのスタートを切る。 唇に口付けて、愛おしい想いを伝えあって。 深くて長いキスの後に星の瞳を覗き込めば、その目は潤んで次を待っていたから。 「…星」 名を呼んでやり微笑んでやると、星くんは俺に両手を伸ばしてくる。躊躇わずに俺を受け入れてくれる恋人に感謝しつつ、俺はゆっくり時間をかけて星の身体を隅々まで愛撫していこうと決めた。 上から順に脱がした服は、脱がす楽しみを俺に与え役目を果たし終え、今は大人しくラグの上で寝そべっている。そんな服たちとは違い、全裸になった星くんは、恥ずかしそうに身を捩りながらイヤイヤと首を振って。 「ゆき、や…ぁ、だめ」 「ダメでも止めてやらねぇーよ、知ってんだろ?」 星が本当に嫌がることは避けているつもりだし、俺が星の身体に口付ける度に反応する仔猫は、ぎゅっと目を閉じ次第に快楽に溺れてしまう。本人はかなり恥ずかしいのだろうが、その姿が俺にとっては興奮材料になっていくばかりだ。 首筋に、胸に、脚に、そして。 普段は見えない箇所も全てをさらけだして、俺の手によって乱れていく恋人がエロくないワケがないから。 「すっげぇー、可愛い」 思うままの言葉を発し、俺は星の身体に埋め込んだ指をゆるゆると動かしていく。 その間も、触れて欲しそうにしている星くんのモノからは少しずつ透明な液体が流れていて。 「雪、夜ぁ…はっ、もぅ」 ……もう、欲しい。 呟くように洩れた星の本音が、俺の理性を意図も容易く崩してしまうのだ。 もっと可愛がってやりたいのに、焦らして泣かせたいのに。既に泣きそうな仔猫からのお願いに、俺が勝てるわけがなかった。 そうとなれば、後はお互い繋がり合うのみで。 スーツが汚れるとか、皺になるとか。 そんなことを考える暇もなく、俺は星のナカへと沈んでいった。 どれだけの間、ソファーの上で楽しんでいたのかは分からないけれど。ヤることをヤって、力尽きてしまった星に俺は申し訳なさを感じて。 「……ごめんな、星」 独り煙草を咥えて呟いた俺の想いは、愛よりも何よりも星に対しての謝罪の言葉だった。

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