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「ちょっ……、橘先生。何を……」 「だから、楽にしてあげるだけだよ。無理なことはしないし、僕と付き合えと強要するつもりもない。君はただ、リラックスしていればいいんだ……」  橘が、百合人のジーンズのベルトを外し始める。身に着けたばかりのそれが器用に脱がされていくのを、百合人は呆然と眺めていた。 「ふふ」  橘は、下着の上からその部分を撫でた。精を放つことを許されなかった百合人の中心は、まだ芯を持っている。形を確かめるように弄んだ後、橘はやおら下着を下ろした。ぷるん、と音がしそうな勢いで欲望が飛び出す。 「嫌だったら、すぐ言ってね」  目を見て告げられ、よくわからないまま百合人はうなずいた。ユウイチがしたように、手で慰めてくれるのだろうか。ところが次の瞬間、橘はそれをぱくりと咥えた。百合人は、仰天した。 「先生、やめっ……、汚い……」  橘の頭を引き剥がそうとしたが、彼に放してくれる気配はない。熱い舌が幹に絡みつき、感じるポイントを次々と刺激していく。いつしか、百合人の抵抗は弱くなっていた。 「はぁっ……、あっ……、んんっ……」  男同士でもアリなのか、と百合人はぼんやり思った。男女間でこういう行為がなされるのは、昔友人たちに観せられたAVで知っていたが……。 「ああっ……、あっ……、あっ……」  橘の動きは絶妙だった。喉奥まで咥え込まれ、堰き止められた射精感が再び湧き上がってくる。気がつけば百合人は、拒絶するどころか、腰を突き出すような仕草をしていた。 「可愛い顔して……」  ちゅっと先端にキスしながら、橘が微笑む。双球までやわやわと揉まれ、百合人はソファの上で跳ねた。さらに橘は、その奥まで指を伸ばすと、蕾との間の部分を軽く押した。思わず、ひゃっと声を上げてしまう。 「気持ちいい?」  橘が低い声で尋ねる。 「この奥を使えば、もっと気持ち良くなれるよ……」  窄まりを撫でられて、百合人はドキリとした。百合人自身の先走りで濡れた橘の指は、すぐにでも侵入してきそうに感じられた。

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