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”
だが橘の指は、すぐに離れた。
「冗談だよ。そこまではしないから、安心して」
くすりと笑うと、橘は再び百合人のものを頬張った。ラストスパートとばかりに勢いよく吸い立て、舐め回す。あからさまな水音が、百合人の羞恥心を一層かき立てた。
「ああっ……――!」
先端を強く吸われた瞬間、百合人は達していた。はっと我に返れば、口の端を拭っている橘の姿が視界に映った。
「すっ……、すみません! 僕、出して……」
橘の口内に放ったことに気づき、百合人は真っ青になった。だが彼に、動じる気配はなかった。おまけに、こくりと嚥下するではないか。
――いくら向こうが始めたこととはいえ、先生相手に……。
百合人は本格的にうろたえ始めたが、橘は平然としていた。
「花岡君が満足してくれたなら、それでいいよ。どう? 不快だった?」
いえ、と百合人は小さく首を振った。ユウイチに触れられた時とは違い、嫌悪感は少しもなかった。むしろ、快感でおかしくなりそうだった。躰は、余韻でまだ震えているくらいだ。
――先生は、どうしてこんな……。そして僕は、彼のことをどう思ってるんだろう……。
もうすっかり普段どおりの橘を見つめながら、百合人は何度も自問自答したのだった。
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