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 十五分後。百合人は、ソファに腰かけた橘の膝の上で、背後から抱きしめられていた。シャツはすっかりはだけられ、むき出しにされた素肌には、橘の両手がねっとりと這っている。乳首を揉まれこねられ、脇腹を優しく撫でられて、百合人は早くも下腹部に熱が溜まるのを感じていた。 「この時間は、両隣の先生方は留守でね。狙ってた?」  揶揄するように、橘が言う。 「違……、まさか!」 「冗談だよ」  橘はくすりと笑うと、ぺろりと百合人の首筋を舐めた。 「あ……!」  思わず声を漏らしてしまい、百合人はあわてて口を覆った。下半身に触れられてもいないのに、これほどまでに昂る自分が恥ずかしい。ジーンズの前はすっかり張り詰めて、痛いくらいだ。当然橘は、気づいたようだった。 「ここ、触られたい?」  布越しに軽く股間を撫でられただけで、躰がビクンと跳ねてしまう。百合人は無言で、コクンとうなずいた。 「それじゃあ」  橘は百合人を抱え上げると、ソファに降ろした。前に立って見下ろしながら、平然と告げる。 「自分で脱いで、僕に見えるようにして」  かあっと、顔が熱くなる。だが、欲求には逆らえなかった。目を伏せながら、下衣を取り去っていく。下着を脱ぎ捨てれば、完全に勃起したペニスが姿を現した。それは物欲しげに蜜を垂らしていて、百合人は耐え難い羞恥心に襲われた。 「見えるように、って言ったでしょ」  やや酷薄な声が響く。仕方なく橘に向かって開脚すれば、彼は前回同様、百合人の前にひざまづいた。

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