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最中に他のことを考えていたからか、
「こら、泉。集中しろ」
壱人はそう言うと、俺の乳首に口を寄せた。
「……えっ。あ、うおっ?!」
指とはまた違う感覚に思わずそんな声を上げてしまい、
「色気ねえな」
壱人は苦笑った。
「あっ……、ばっ。やめっ」
確かに色気ないなって、自分でも思うけどさ。けど、とっさには色っぽく(性的な意味で)泣くことはできないらしい。
女の子みたいな高い声を出すことに抵抗もあるし……、でも、そんな余裕があったのも最初だけ。
「あっ……、ううんっっ」
うそっ?! 今の、俺の声?!
無意識に自分が出した声に驚いた。無意識に出したというよりは、無意識に漏れたと言った方がいいようなその声は、自分で言うのも恥ずかしいけど女の子の感じてる声そのものだ。
「……あっ、やっ」
わざとくちゅりと音をたてて、壱人は俺のそこに吸い付いてくる。
自分の口から漏れる声も壱人がたてるその水音も、DVDやアダルトチャンネルでしか聞いたことのないものだった。しかも、やられているのが俺のほうで、俺はまるでAV女優ばりに甘く喘いでいる。
最高級に気持ち良くしてやると宣言した壱人は、有言実行とばかり全力で気持ち良くしてくれる。壱人が触れた部分、全てが気持ち良くて、自然と漏れる声と吐息を抑えきれない。
「気持ちいいか?」
そう聞かれるよりも、
「泉」
耳元で名前を呼ばれるのがたまらなくて、
「あっ……、んんっ」
俺は必死で声を殺して、俺の胸に顔を埋めている壱人の頭をしっかりと抱え込んだ。
いつの間に壱人も自分の上着を脱いだのか、直接、壱人の熱い肌が俺の体に触れる。最初、俺に触れる壱人の手が冷たく感じたのは壱人も緊張していたからか、今では俺に触れてくる手も焼けるぐらいに熱い。
「……ひぃ、んんっ」
はあはあと熱い吐息が胸元から聞こえ、壱人は乳首を責めることをやめない。最初こそ触れるか触れないかの感覚で肌を這っていたその舌先の動きも、いつしか直接肌を舐め回す大胆なものに変わっていた。
「……あ、はぁっ……、ああんんっっ」
それにしても、この感じ方は尋常じゃない。
「あっ……、あんんっ。ち、乳首噛むなあっっ」
俺って実は、こんなにも乳首が感じるやつだったのか。
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