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 男のなかにも乳首が性感帯の人種がいるってことは同性愛者用のテキストでもエロ本からでもなく、姉ちゃん秘蔵の同人誌を読んで知っていた。まさか、自分がその人種に当て嵌まるとは夢にも思わなかったけど。  なんと言うのか……、 「あっ痛ぁ……、あっ、ひんっっ」  痛いと言うか、痛痒いと言うか。  ぐりぐりと押し潰され、軽く歯を宛てて甘噛みされたそこがジンジンと甘く疼いて、ぞくぞくとした何とも言えない感覚がたまらなかった。俺の股間にも壱人の硬く起立したものがぐりぐりと押し付けられて、その動作にもたまらなく興奮する。 「泉。いいか」 「……あっ」  その感覚だけじゃなく、壱人の色っぽい声や熱い吐息もたまらない。壱人がはあはあと荒い吐息を俺の耳に吹き掛けるたび、次の行動を期待した俺の体はぶるりと身震いを繰り返す。  壱人は俺のズボンの前をくつろげて、俺の下着を下げて俺のを(じか)に触ってきた。尖端に爪を立てられ、()ねくり回されるとくちゅりとやらしい音がたつ。  初めて俺のに触れる他人の手。他人にされているという事実よりも、壱人にされていると言うことがまたたまらなかった。壱人が一人でしてる時にしてることを俺のにしてるんだとそう思うと、なんかちょっとだけ変態チックだけどさ。 「濡れてる……。泉、聞こえるか。この音」  とか、耳に息を吹き掛けながら言わないで欲しい。壱人はそう言いながら、自分のモノを俺の手に握らせた。 「――っっ」  で、でかっ!  ま、まあさ。俺より図体もでかいんだから、ある程度は予想してたけど。子供の頃は一緒に風呂に入ったことも何回もあるし、まあ、思春期からは擦れ違いだったわけだけども。  俺の知らない間に成長したのはどうやら身長や体格だけじゃなかったようで、それを握らされて思わず腰が引けた。そしたら壱人が俺の腰をしっかり掴んで、また強く、ごりっと自分のを俺のに押し付けてくる。 「――ひっ!」  直接、直に触れるその感覚に思わず声を上げてしまったのは、その後のことを想像したからだ。 『挿れたい』  壱人はそう言った。  と、言うことはつまり、これが俺の中に……?

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