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 痛みはそれほどないとは言っても、最初は壱人が動くたびに軽い痛みに襲われた。ローションがたてるぐちゅぐちゅと酷い音を背後に聞きながら、 「んっ、んっ、んんっ」  奥をゆっくり小突かれるリズムに合わせ、俺は自然と漏れそうになる声を必死にこらえる。ハアハアと熱い息を吐きながらの壱人の動作は酷くゆっくりで、初めての俺を気遣ってくれているんだとすぐに分かった。 「はあっ、泉、泉っ」  壱人はずっと俺の名前を呼び続け、うなじに掛かる熱い吐息が壱人が俺に欲情していることを教えてくれる。  ようやく一つになれたことがたまらなく嬉しかった。ずっと壱人が好きで好きで、なのに、その延長戦にセックスがあることに気付かないぐらいに鈍感だったくせに。  壱人に抱かれているということより、壱人とセックスしているその事実がたまらなく嬉しかった。この時の俺はまだ、壱人以外の誰にも聞かせたくない喘ぎ声を上げさせらながらも冷静にそんなことを考える余裕があった。  どれくらいそうしていたんだろう。時間はそろそろ日付が変わる頃で、背中に密着している壱人の肌が焼けるように熱い。 「……ひっ、ひうっ!」  不意に壱人に後ろから羽交い締めにされて、上半身が僅かに浮いた。軽くえび反りに反り返った俺のなかに、壱人は尖端をグリグリと押し付けてくる。 「んっ、んっ、んあっ」  時たま俺が恥ずかしい声を上げてしまうのは、壱人のモノの尖端が気持ち良すぎる場所に当たった時だ。  通常はがつがつ掘られるピストン運動と言われる動きのはずなのに、その気配はまるでなかった。俺の中に壱人自身の存在を知らしめようとでもするかのようなゆったりとした動きに、中に溜まったローションがぐぷぐぷと恥ずかしい音をたてる。 「……はあ、暖かい。泉んなか」 「んっ、んんっ」  最初は中を掻き混ぜるだけの動作だったが、少しは後ろの力が抜けてきたんだろうか。壱人も少し、余裕が出てきたのがわかる。 「……あっ、ひ、ひいっ。ん、くぅんっ」  それにしても俺の声。もっと色気のある声が出せないものか。なんて余裕があったのはこれまでで、 「あっ、ひっ、ひうっっ!」  壱人の動きが少しずつ大きくなり始めると、俺の押し殺した声も出始めた。 「あっ、あっ、あっ、ま、待って……「ごめん。無理」  壱人のその一言を合図に、 「……えっ、あ、ひあっっ!」  壱人からの激しい責めが始まった。

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