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「ひうっ。そんなにしたらあ……、ああっっ!」
壱人のが入って来たばかりの頃のように、押し殺した声は出なくなった。つまりは『くうっ』だとか『んっ』なんかの子犬のような微かに漏れる声は出なくなり、代わりに口をついて出るのは『ああっ』だとか『ひいっ』だとかの悲鳴にも似た、恥ずかしい声だ。
ローションがたてる音も激しさを増し、そのぐぷぐぷと酷い音が聴覚をも犯す。何度も何度も中を擦られて内壁を無茶苦茶に突かれ、痛みも完全に麻痺してしまった。
本来、感じる痛みは入口が裂けるような引き攣った痛みだけで、奥から沸き起こってくる快感がだんだんとそれに勝ってくる。
「あっ、ああっっ、やっ!」
途切れた台詞はやだなんて可愛いものじゃなくて、やめてくれと壱人に懇願する情けないものだ。そんな頼みが今の壱人に聞き入れられるはずはなく、ますます壱人の動きは激しさを増す。
「ひ、ひあっ!」
がつがつと後ろから突いていた壱人が俺の腹の下に腕を回し、繋がったままで上半身を起こされた。後ろから壱人に抱えられながら壱人のモノの上に座らされる、いわゆる背面座位を強いられる。
抜けかけだった壱人のモノが改めてずぷんと最奥を犯し、俺自身の体重と下からの激しい突き上げで責められた。初心者には少し酷なその体勢は、体力的にもかなりきつい。
「いっ、いあっ!」
最初は気まぐれに乳首や俺のを擦り上げていた壱人の手は俺の腰をしっかりと掴み、壱人が俺の中を無茶苦茶に犯した。さっきまでのゆったりした動作とは違い、すぐに限界が訪れる。透明な先走りが俺のから何度も飛び散り、シーツを汚す。
腰の下に敷いていたバスタオルはどちらかがとうの昔に蹴落として、ベッドの下で脱ぎ散らかした下着なんかと一緒に散らかっている。
「あーっ、あっあっあっ!」
前立腺を見付けてしまった壱人は執拗にそこを責めてきて、そのたびに信じられないほど大きな声が出た。幸い姉ちゃんは今夜は隣の壱人の家に泊まりに行っていて、二階には俺らしかいない。一階で寝ている父さん、母さんに聞かれるわけはないけど、
「――んっっ」
それでも必死で声を押し殺す。
「――っっ。泉、中に出すぞっ」
「だっ、だめっっ!」
不意に首筋を壱人にカプっと噛まれ、
「――っっ」
「~~~~っっ!」
お互いに無言のまま、一緒に達した。
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