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第6話 ※
その後も、柳と憐の不思議な関係は続いていた。
初めから距離の近い柳ならばともかくとして、憐が「義之さん」から「義之」と呼び捨てになったのは、少しは心の距離が縮まったのだと思いたい。
本人からすると「いい加減面倒臭いから」「年下だから」などという理由らしかった。それでも嬉しかったが。
「んーんんー憐ちゃんの身体あったかぁ~い。早くココにブチ込みてぇ~」
「邪魔」
キッチンに立つ憐を背中から抱き締めて犬の交尾のように腰を押し付ける柳に対し、憐はいつも通りの冷めた口調で言い放つ。
振り払うような真似はしないというより、ただひたすらに、面倒なのだ。柳が力で諦めるような男ではないことも掌握したようだ。
酒は少しは嗜むらしく、肴くらいは作れるようだった。と言っても、今夜はクラッカーの上に乗せるディップだが。
ブランデーを飲みながら、肴をつまむ。
やはりというか酒が入ってもあまり変化の見られない憐に対し、既にほろ酔いの柳の性欲は増すばかりだ。
「憐ちゃんとヤりたいヤりたい今夜こそぜってーイカせるかんな」
「本当に、身体が成長しただけみたい」
「あ、それ蓮……じゃねぇ、幼なじみにもよく言われる。いやぁ我ながら少年の心を大事にしてて良いよなぁ」
「言っておくけど悪口だよ」
「は? え? 悪口? ……ってあの野郎! ブチ殺してやる!!」
「……その幼なじみとやらの脳みそはまだマシみたいで良かったね」
一人激怒する柳に、「いや、義之とつるんでるくらいだからやっぱり重症かも」とさらに嫌味を重ねる。
酔いも深くなり、柳の性欲はそれはそれは高まって、顔付きを変えない憐の股間にいきなりズボッと顔を埋めた。まるで小さな子供みたいに。
「憐ちゃんの匂いがする……」
「そんなとこ嗅いで臭くないの? 気持ち悪。動物じゃないんだから」
「オレは動物だ……動物だから本能で交尾もしたいんだ……」
「はぁ……」
酔っ払いはくんくん憐の股間を嗅ぎ、楽しそうにジッパーを下ろした。
下着を掻き分けて、萎えた逸物が出てくると、声を出して恍惚とする。
憐は前戯をしても、声の一つも出さない。吐く息も、呼吸と変わらない。だけど、慣れというものはあるのではないか。
柳は何度も何度も、ペニスを握って、しゅるしゅると手で扱く。
亀頭部分を掴むようにやわやわ動かしてみたり、竿全体を刺激してみたり。とにかく自分自身、そして男として弱いはずのところばかり重点的に責める。
「どう?」
「ううん……なんにも」
「くっそー……でも今夜はヤるぞ。ぜってーヤる。だから……ほれっ」
「っ!」
柳の指は未開のアナルにまで及んだ。さすがに男同士の性行為をしたことがない憐は、不浄の穴に指を突っ込まれるのはただ不快でしかない。
眉根を寄せ、不機嫌そうに柳を睨む。
「おおう……このオレがこんなに必死こいて扱き倒してケツマン弄ってやってるのに、ここまで無反応ってどーよ」
「だから、これが僕の体質。仕方ないでしょ。もう……やめたら? 時間の無駄だよ」
「ハッ。ここまで来たらやめられないぜ。元は取らないとなぁ」
「それってギャンブルじゃないんだから……」
「地道にやってりゃ確変するかもしんねぇだろ!」
「しかもパチンコ……」
柳の前戯は乳首にも及んだ。ピアス付きの舌を長く突き出して肌を舐め回し、突起をむしゃぶり尽くす。
嫌そうな憐に構わず、自分勝手なディープキスも行い、一人興奮を強めていく。
「はっ……ハァ……どう? なぁ、今どんな感じ?」
「くすぐったい……かな。あとお尻痛い」
尻穴に入れた指を鉤爪のようにして前立腺を刺激しても、憐には未知の感覚どころか、排泄器官を内側から弄られる苦痛しかない。
「マジで? 乳首もチンコもケツも駄目なの? うーん……」
それにはさすがの柳も思い悩む。自分が犯して感じなかった人間はいない。
というより、無理やり恐怖と屈辱でもって征服して、快楽を感じるまで徹底的にやるのが柳のやり口だ。
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