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第10話

*** 「……あっ、……ぁぁ……ふっ……」 「……ほらもう三本目。ずいぶん柔らかくなってきたね」  膝をついて腰をあげている両足がガクガクと震える。その度に敏也は私の臀部や太ももをあやすように撫でた。  昔を思い出しながら、シャワーで中を綺麗にして戻った私を敏也はきつく抱き締めると、数えきれないほどのキスの雨を降らせた。  ふたりで縺れながらまたベッドへと倒れ込み、互いの着ているものを全て剥ぎ取った。彼の全裸を目にして息を呑む。背は私とそう変わらないのに、まだ二十代の彼の肌は間接照明の頼りない光をも弾いて艶めいていた。 「ああ、やはり綺麗な体だ」  感嘆の呟きを互いに溢したあとは、ひたすらに手を唇を舌を這わせあう。温かな肌に触れて、感じて、味わっていくうちに、この魔法のような一日が本当なのだと記憶に焼きつけた。  敏也は男を抱くのは初めてなのに、私を翻弄しはじめる。その証拠に最初こそは私に言われるがままに動いていた手は、今は私の蕾を割って入り、ゆっくりと粘膜を指先で探っていた。 「千晶さんのなか、とても熱くて指が蕩けそうだ」 「あっ、あっ、」 「それにここも。こんなに硬くて逞しい。これできっと、色んな人を泣かせたんでしょうね」

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