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第82話 真乃斗

高瀬さんの吐息って、音を伴わないくせに男らしくて色っぽい。 ペロペロと舐めていたのをやめて、目一杯口を開けてそんなモノを頬張ると、 今度は窮屈なナカで舌を懸命に動かした。 このヒトに出会わなければ一生味わうことのなかった唇の感触に、 やってる自分の方が恥ずかしくなる。 けれども高瀬さんが気持ちよくなってくれたら嬉しいって気持ちが大きくて、 そんなものはどうにでもなった。 咥えたままで裏の括れたトコロを舌でなぞると高瀬さんが小さく声をあげた。 高瀬さんの素直なそんな反応は、とても気分が良い。 「はぁ・・高瀬さん」 ソコを懸命に咥えているだけなのに、 なぜだかオレの身体のその入り口はヒクヒクっと疼いてしまう。 視線だけで高瀬さんの顔を見上げれば、 すごく色っぽい顔した高瀬さんが ・・・オレの好きなヒトが・・・ そこにいた。 高瀬さんに促されてそこから唇を離せば、 今度は舌が絡むキスをする。 そうして突然、乳首をつねられると、 繋がる唇の端から大きな喘ぎ声が漏れた。 いつの間にかベッドに横たわるのはオレに変わって、 胸の突起を甘く噛まれるその刺激に反射的に声が溢れて、 執拗に舐められればもしかしたらソコだけでもイけるようになりそうで 怖くなる。 高瀬さんによって、 オレの身体はどんどんと気持ちが良いことに素直になってしまって、 それはあまりに恐怖だ。 だって・・・ 「ここ、すごく敏感になったね」 嬉しそうに指で弾かれると、オレはまた、泣いてるみたいな声をあげる。 こんな風に変えられてしまったら、 オレはもう本当に、このヒトなしでは生きてはいけない。 「お願い・・もう挿れて」 さっき風呂場で準備といいながら、 オレはもうソコを指で慣らされている。 高瀬さんの弄ぶように乳首を弾いてた指先が止まると、 一気に高瀬さんが挿いってきた。 「ーー・・・っ・・・・」 あまりに圧迫感が強すぎて、一瞬息が止まった。 「じゃあ遠慮しないね」 そのまま容赦なくオクまで突かれると、 欲しかった刺激が突然やってきてオレの身体が追いつかない。 「あ、あ、あっ・・・はぁっ、、んぅあう、うぁ・・・」 どこかひどく扱われてるというのに、それはあまりに気分が良い。 このヒトにされるすべてがただ気持ちいい。 高瀬さんはオレを求めて、それはオレもまったく同じだった。 「た・っ・・せ・・さんっぅ、っ・・・」 好きだって言いたい。 そうして、好きだと言ってもらいたい。 はじめてココでこのヒトに抱かれた日。 真っすぐ見つめられて好きだと言われてそばに居て欲しいと言われた、 19歳最後の日。 あれ以来、オレは滅多にこのヒトに好きだと言ってもらえていない。 それは仕方がないとわかってる。 だって、オレは別の人が好きだから。 好きだったから。 でも今は違う。 それなのに・・・ 「ぁあ、あ、あ・・・っ・・も・・ちゃーーっ・・・」 オレの身体の隅々を高瀬さんだけが知っていて、 されるすべてにあっという間に全身がうねる。 ナカだけでイけるようになった身体は、 軽くその快感をはじけさせるとさらに膨らませて全身にまわっていく。 このヒトが好きなのはオレだってことを、 言われなくたってよくわかってる。 それでも言って欲しい。 好きだってその言葉を。このヒトから。 でもいったい、オレはどうすればいい? そんな台詞をねだってしまうのは間違っている気がする。 だってこのヒトは・・・ 「ったかせさ・・ぁあ、あ、っ・・め・・だめだめぇ・・・っ・・・」 イったばばかりの身体をまた強引に揺らされて、 ぐちゅぐちゅと淫らな音が鳴り響く。 「ーーー・・っ・・・・っ・・」 立て続けに攻 められればいつもより強引な高瀬さんに、 あっという間にナカだけで白い液体をまき散らした。

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