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第84話 高瀬
真乃斗くんとのセ ックスは、
いままでの自分のどの経験も太刀打ちできない中毒性がある。
している行為はさほど変わらないハズなのに、
どうしたっていつもどこかが、何かが特別なのだ。
「ぁあ・・ったかせさ・・・」
「真乃斗くん」
好きを言えない代わりに名前を呼ぶ。
そうして呼ぶたび
彼の名前は間違いなく宇宙一、美しい響きを持っていると確信する。
お互いそんな場所を晒して、触りあって舐め合って繋がって、
そうして名前を呼べるだけで、
もうすべては特別になる。
セ ックスなんてたいしたことじゃない。
俺たちみたいなのは特に。
男同士なんてなんのカタチも得られない。
それでも・・・だからこそ。
俺にとっては真乃斗くんとのこの行為の全てが特別なのだ。
それは恋愛っていう意味においても。
俺たちだからつくれるもの。
二人にだから成り立つもの。
そういうナニカがあればいい。
それが恋人ってカタチにならなくても、
気持ちが交わることが無いからこそ、
二人だけの特別なカタチがソコにあれば嬉しい。
「っそれだめ・・」
「真乃斗くんはウソばっかつく」
「っちが・・っ・・ぁ・・」
汗ばんでうっすらピンク色するその頬にキスをしてから
うつ伏せにして腰を上げさせると、
真乃斗くんは言葉だけで可愛らしく抵抗する。
「待って・・だめだってば・・っ・・それ」
「好きなくせになに言ってんの」
「っだ・・から・・っ・・・ちが」
だめといいながらも逃げようとはしない真乃斗くんが心から好きだ。
あまりに可愛いから、
こちらに突き出させたケツを両手で揉んで、割目を舌でつついてやる。
「っぁあ・・・」
これから再び俺を受け入れる、
その場所に舌を入れ込むとわざと音を立てるようにして、
さらにはさっき白く濁った液体をまき散らした
その根元のまぁるい膨らみを片手で優しく揉むようにしながら、
少し縮んだ前をもう片手で包んでさするように擦りあげれば、
より一層切なそうに、とても気持ちよさそうに甘い声をあげた。
「気持ちぃくせに」
「だからっ・・気持ちくてすぐイっちゃうからヤなんだってば」
いっぱい抱き合ってたいの・・・と。
今日の真乃斗くんはどこかいつもより甘えん坊だ。
そんな風に可愛く甘えられたらそんなもの、
気持ちは余計に昂って、
逆効果になることを本当に知らないというのだろうか。
そうしてそういうこの男が
「本当に可愛い。真乃斗くん」
本当に・・・好きだよと。
続けて心の中だけでつぶやいた。
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