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第3話

「帝のお通りだ」 そう声がして玄関に行くと 帝と使用人が立っていた。 『帝、どうぞお上がり  下さい』 『あぁ、失礼する』 (龍強様と会うのは何年  ぶりだろうか) 龍強と明陽は昔、家が近く にあったため、よく遊んで いた。しかし、12歳の頃 帝になる事が決まると 都に行ってしまったのである。 『すまないが、2人に  してくれないか』 「しかし・・」 『大丈夫だ。何かあれば  直ぐ()呼ぶ』 「・・はい。承知しました」 使用人は納得いっていない 様子だったが、渋々出ていった。 『早速、本題に入ろう。  お前は国の法を知って  いるな』 『・・はい。知っております』 『お前の弟は我を暗殺しよう  としたのだ。何と愚かな』 『本当に申し訳ありません。  謝って済む事ではありませんが  どうか、一族はと弟は殺さない  でくれませんか。  代わりに、私が何でもします』 『何でも、か?』 『はい』 明陽は必死だった。 家族や一族の事を どうしても守りた かったのだ。 『分かった。お前の願い  を叶えよう』 『ありがとうございます!!』 『その代わり我の奴隷になれ』 『奴隷、ですか』 明陽は覚悟をしていたが 奴隷になれ、と言われる とは思わなかった。 しかし、後には引けない。 一族の命がかかっている のだから。 『分かりました』 『よし。二言(にごん)は  ないな。では、私の都  に来い』 『準備をして参ります』 明陽はその日から帝の 奴隷としての日々が 始まるのであった。

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