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第3話
唾液で濡れたそこに息が吹きかかるとひんやりしてもっとむず痒くなる。
「そこばっか……舐めるなよ……っ」
「じゃあここでも舐めるか?」
「……っん」
松原が言いながらぐにぐにと俺のを揉むように擦った。
「……松原って……」
「なんだ」
「……ホモなのか?」
「あ?」
眉を寄せ何言ってるんだって感じで俺を見てくる松原。
「だ、だって男の俺にこんなことしてくるし。フェラするとかいうし……」
いやでも望月先生ともヤったって言ってたなー。
ていうことはあれだ! なんていうんだっけ……バ……えーと、両刀??
「いまが初めてだ」
「……は? なにが」
質問したのは俺なのに、ぽかんとして聞き返す。
「男を相手にしてるのなんてお前が初めてだって言ってるんだ」
「え―――……えええ!? まじで!??」
「うるさいな。じゃあお前はホモなのか?」
「んなわけねーじゃん!! 俺だっていまが初めてだよ!」
「ふうん」
「で、でもホモじゃねーなら、なんで?」
美形だし女にモテそうなのに、ホモでもないっていうのになんでいまコイツは俺の息子を握って扱いてんだろ。
「それは―――」
強弱をつけながら俺のを上下しつつ、松原が顔を近づけてくる。
ふ、と何か感じた。
いまのいままで気付かなかったけど、コイツって少しだけだけどなんか香水つけてんのかな。
本当に微かにだけど匂いがしたような気がした。
それに気をとられて匂いを確かめるように顔を俺も近づけて、狙ってでもなんでもなく額がぶつかった。
「単にヤリたくなったから」
「は?」
「お前は?」
「え」
「こんなに硬くして涎垂らしまくってるのはなんでだ?」
「そ、それは……ヤリたくなったから……?」
だってキスがうまかったんだもん!!
しょーがねーじゃん!
額をくっつけあったまま呟くと、喉を鳴らしたあと少しぶりに唇が触れ合った。
「んっ」
やっぱり、キスうまい。
入り込んできた舌にすぐ舌絡めて交わらせた。
ぬるぬると粘膜を刺激する舌先に唇の端から吐息がこぼれていく。
だけどキスはそんなに長くは続かなくって、あっというまに離れていく。
もうちょっとシたかったんだけどなーって濡れた唇を舐める。
「で? 舐めて欲しいか?」
ココ、と俺の息子の先っぽがぐりぐり押され、腰が震えた。
「……っ……で、でも男初めてで……そんなん舐めて……平気なのか? ヤじゃねーの?」
「別に。無駄にデカイのが多少迷惑だが、なんとかなるだろ」
「無駄って……。ちゃんとテクもあるっつーの!!」
「それでどうする。シてほしいならちゃんとおねだりしろよ?」
「で、でもさ。ほんといいの?」
「ああ。まあ―――先行投資だしな」
「……せんこう……?」
最後の方はよく聞きとれないくて首を傾げると、急かすようにきつく俺のを握りこんだ。
「ほら、どうするんだ」
「……え……っと……」
女の子にシてもらうのはもちろんたくさんあったけど―――なんかいまはちょっと緊張するっつーか恥ずかしいっつーか。
でも―――快感がもっと欲しいっていうのと、あと、興味。
コイツが……松原が俺のを咥えてるっていう姿を見てみたいっていう単純な好奇心。
半々の想いに俺のを握ってる松原の手を掴んで離させると、口元へと持っていく。
俺の先走りで濡れた指を口に含んで、舐めて、松原を見つめた。
「―――俺の、舐めてよ。お願い。先生」
女の子とヤるときだって、おねだりはする。
男でも効くかなって疑問だけど甘ったるく言えば、余裕な表情を崩すことなく松原は小さく笑って俺の足元に跪いて―――。
「了解」
と言うなり、その咥内に俺のを含んだ。
「……っ」
舌先で先端をくすぐられ、温かい口の中で吸い上げられる。
粘膜に擦れる感触と絡みつく舌に手だけのときとは違う刺激にダイレクトな快感がわきあがってくる。
松原はとくに嫌そうでもなくって、平然とした様子で―――でもちょっとだけ「無駄にデカイんだよ」とさっきとおなじことをもう一回呟いて眉を寄せてたけど―――舐めたりしゃぶったりしてる。
な、なんかヤバいかも。
フェラしてもらってる気持ちよさはもちろんある。
だけどそれ以上に視覚的にもヤバい。
だって学校で冷血サイボーグとか言われてる松原が俺のを咥えてるとか……。
しかも美形だから妙な色気とかいろいろ合わさって、むちゃくちゃエロイっつーか……。
「……ん……っは」
どんどん射精感が込み上げてきて俺の脚の間に顔を埋めている松原の髪を掴む。
俺のをゆっくり舐め上げながら艶を含んだ目が俺を見上げる。
「悪くはないだろ?」
「……っ……う、ん……っ」
同じ男だからか松原のフェラは快感のポイントを掴んでた。
キスもうまいし、こういうテクニックを持ってるってことなのかな。
素直に頷く俺に松原は可笑しそうに笑うと、また俺のを口に含んで刺激を与えだす。
先走りと唾液が混ざって水音が響いてくる。
腰動かしたくなるけど座ってるからそれもできなくて、ただ松原の頭にしがみつくようにしてされるがまま射精感を募らせていく。
「松……原……っ」
もうイキそうだって熱い吐息混じりに言ったら、一層激しく強く扱かれて吸われて舌絡められて。
このままイっていいのかな―――って頭の端っこで少しだけ思ったけど思考全部射精感に埋め尽くされる。
松原は俺をイカセることに専念しているみたいでなんにも言わずにひたすらフェラを続けていた。
「……んっ……やば、い……っ、俺、もうっ」
さすがに口の中はマズイよな。
「もう、離せ……っ」
そう言ったのに松原は俺を解放することなく深く咥え込んで頭を揺らす。
下半身からぞわぞわ湧きあがってくる射精感に耐えきれず、もう吐き出すことしか考えられなくって、松原から与えられる刺激に集中した。
「……っぁ……も、むり……っ」
出せ、とでも言うように激しく摩擦されて強く吸い上げられたと同時に、
「……ぁく、っあ……っん!!」
俺は松原の咥内に白濁を吐きだしてしまった。
全部出尽くすまで松原は俺のを離さないから全部吐き出して、射精後特有の倦怠感に吐息をつく。
「ン……っ」
残滓もないくらいに最後まで吸われた。
そしてようやく松原が離れていく。
その咥内には俺が吐き出したものがあって、つい目で追う。
「……あ……ティッシュ」
どこにあるんだろ。吐き出さなきゃだよな、ってぼーっとする頭でティッシュがないか探そうとした。
だけどその前に立ちあがった松原が俺のほうへと腰を折って首に手を回して引き寄せた。
目が合って―――キス。
「ぅ、んっ」
入り込んできたのは舌と、俺が吐き出した俺の精液だ。
独特の生臭い匂いが鼻につく。
クソマズイ!!!
びっくりして松原から離れようとしたけど逃げられないように抱きすくめられて、飲まされた。
白濁も唾液も、舌交わらせながら、口の端からこぼしながら飲まされる。
マズイのに、だんだんと味なんてどうでもよくなって、興奮してくるのを感じる。
俺ってヘンタイ!?って思うくらい、またあっという間に下半身に熱が集まっていくのを感じながら卑猥なキスに没頭した。
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