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第5話

「ここが……ホテル……?」  初めてのラブホテルに、秀典はただ興味津々に部屋を見渡していた。  ビジネスホテルに比べれば部屋や風呂は広く、ベッドもセミダブルで豪華だし、けれどゴムや玩具が置いてある。照明も妖しくエロティックな性的興奮を煽る色合いで、お坊ちゃま育ちの秀典には刺激も強い場所だ。 「はぁ……まさか男と来ることになるなんて……しかもこんな成り行きのヤク……んんっ!?」  隙だらけの秀典の背後から抱き締め、首筋をベロリと舐め上げた。  その先の耳の奥まで舐め、甘噛みしながら、くんくんと犬のように体臭を嗅ぐ。青春の香りとはなんて素晴らしいのかといつも思うが、秀典のそれは群を抜いてかぐわしい。 「ハァッ……汗が制服に染み付いて……すげえ良い匂いがする」 「なんでそんな……か、嗅ぐなっ。へん、たいっ……」 「もっと言って」 「──っ!? へ、変態! お前、本当に変態だ! 最低……っ、うぁ……っ」  もう我慢がならなくなって、シャワーも浴びずにベッドへ押し倒した。  冷静さを失うくらい野生的だった。ジャケットを脱がし、シャツをずり上げて、健康的に引き締まった肌に舌を這わせる。恐らく初めての感覚に粟が立っている。  その先の剥き出しの乳首を舌で舐められて、秀典は「ヒッ」と悲鳴を上げて身をよじった。乳首の形をなぞるように乳輪を舐め回し、舌先で乳首をツンツンと叩く。  唾液でヌラヌラと光る乳首を指で摘み、コリコリと捏ね回す。そして、もう片方を舐めにかかり、交互に吸い上げてやる。執拗な愛撫に、秀典の両乳首は固くしこってきていた。  秀典もお堅そうに見えて、性欲には逆らえない年代なのだ。自らの意思ではないにしても、乳首だけでなく、股間も既にスラックスを押し上げた状態だった。 「そういうお前はっ……煙草、臭いっ……受動喫煙はするなよ……」 「そうだな。秀典の前では吸わない。お前が心底嫌なことはしない。約束する」 「…………っ」  顔を紅潮させた秀典が視線を逸らした。 「なら……もっと……その、気持ち良く……僕を満足させてみせろ」  そんなことを宣戦布告されて燃えない男がいない訳がない。  蓮見は妙に張り切って、膨張した秀典のペニスを布地越しに明らかにいやらしい手つきで撫でる。それだけでも、秀典は腰を振って、快感を逃そうとしている。未知の快感を知るのが怖いのかもしれない。  ゆっくりジッパーを下げると、十分に勃起したものが姿を表した。自分でこんなになってくれているのかと思うと、涙さえ出そうだ。ありがたやありがたや。未使用学生チンポ様に両手を合わせたい。  が、そんな間もなく、片手で逸物を扱きながら、また舌での乳首責めを再開する。どうやら舐められるのが弱いらしい。 「んッ……! ばか……ぁ……あんまりっ……するな……刺激、強、ぃっ……くはっ、はぁっ!」  秀典は唇を噛み締めながらも、時折甘い声を抑えきれず喘いだ。ちゃんと感じてくれている。そう確認できただけ、蓮見は感無量だ。  大量の唾液とローションを使って、秀典のアナルにも手を伸ばす。 「あっ……! そ、そこは……やっぱり……男同士は……ここでするのか……」  いかにも潔癖っぽい秀典のことだ。アナルセックスは抵抗があって、不浄の穴を弄られるのも嫌悪感があるのだろう。 「初めてだろ。優しくするから」  そりゃあ、緩々のガバマンより男女ともキツい処女マンが良いなんて言えたもんじゃない。  けど、秀典はその言葉を聞いてほんの少し安堵したようだ。それは、そうだ。初めてで荒っぽくされるなんて冗談じゃない。

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