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第39話
ドキドキする。
合法的に起きてるガイ少将のおっぱいに触れる。
そう考えたらキリキリ焦りが込み上げて来て、どうしようも無くなって来た。
諦めると決めたのに、何この地獄サプライズ。
「お、俺ですか……」
クライル大佐は任せたとさっさと診察室を出て行ってしまって、少将と二人きりの室内は異様な程の静かさなのに、耳の中でドキドキと鼓動の音が鳴り響いてうるさい。
チラリと少将を見ると全然平気そうな顔で、むしろ大佐が居なくなった事に若干ホッとしたような気配さえあって、俺は全く意識されて無いらしい。
二人で固まってたらこの先に進めないから、良いような悪いような。
「じゃあ始めます」
仕方が無いから平静を装って、さっきまで大佐が居たガイ少将の前の椅子に座った。
「脱いで貰っていいですか」
そう言うと少将はジャケットを脱ぎ、シャツのボタンを外して、それからしゅるしゅると胸の晒しを解いて行く。
耳が拾う衣擦れの音がヤバイ。
ドクンドクンうるさい自分の鼓動がヤバイ。
ヤバイ。ヤバイ。ヤバイ。
「……一つ、聞きたいんだが」
突然言われて、全ての音が少将の声にかき消された。
「あ、はい。なんですか」
「セレスはまだ、その……私を好きなのか?」
俯いて問われた事に、本気でバカだなと思った。
一日や二日程度で気が変わるなら好きとは言わない。
どうしてこの人は何も分からない、何も伝わらない。人の気持ちが分からないっていうのは真実この事だ。
「いえ、もう諦めました」
だけど俺は何事も無く笑った。
「そう、か……」
「ええ、気の迷いだったみたいです。ご迷惑をお掛けしてすみませんでした。妙な目では見ませんので、安心して検査を受けて下さい」
「そう、か」
だから返事をしたガイ少将がどんな顔をしたのかは見なかった。
好きになってすみませんなんて、自分の気持ちを全否定する言葉にホッとする顔なんて見たくない。
「じゃあ始めますね。まずは触診から」
何事も考えていない素振りで少将を向き直ると、当然白いシャツの前を開いて胸を曝け出している姿があり鼻血を吐きそうになった。
しっかり見ると彫刻のように引き締まった細マッチョボディに真っ白で柔いおっぱいは、アンバランスさが何回見てもいい。
俺は変態でいい。
鼻血もんだ。
「少将の魅力ってやっぱり顔だったんですね」
「は?いきなり物凄く失礼な……」
ぷに。
わざと気に触る事を言って少将の気が逸れた所を狙い、人差し指と中指を揃えておっぱいを押してみる。
俺の指は柔らかなパイに沈んだ。
至福!!
「まぁ、どうとでも言え」
「本音です」
しかし仕事に手を抜く奴は許せないので、やる事は真面目にやる。
揃えた指先を動かして行くけれど、しこりや張り過ぎなども感じられない。
渦を巻いていたのだからと、画像で見た渦巻きと同じ方向に指先を滑らせても違和感は無く、肌触りの良い柔らかなおっぱいだ。
乳首に向かって行くと、何だかひっからまったゴツゴツ感が触れて、指先に少し力を入れて乳輪から円を描くようにほぐしてみる。
「その触り方は……」
少将はびくりと小さく震えて上半身を後ろに引いてしまった。
「嫌でした?すみません」
他意は無いと普通に謝ってしまえば意識する方がおかしい雰囲気になるので、ガイ少将は微妙な顔をしながらも元の位置に戻って来るしか無い。
が、しかし。
しかしだ。
クライル大佐はおっぱいの中身が魔力ではという仮説を立てていた。そして以前俺がガイ少将から魔力補充を受けた時、おっぱいが小さくなったように見えた。
これが気のせいで無かったら、少将の魔力は乳首の辺りでこんがらがって詰まっている。という事になる。
魔力とは母乳だっただろうか……。
この詰まっている分が解ければと、俺は乳輪の外側から、中の渦巻きと同じ方向に指をくるくる回して乳首マッサージならぬ、乳輪マッサージを始めた。
「おい、セレス」
焦った声に、治療ですと短く答えて、真顔で乳首を観察する。
くるくる。
だんだんと大きくなる乳首が指先に当たるけれど、そこはこの際構っていられない。俺の注目点は乳輪の中身。
指先に神経を尖らせて、糸が絡まっているような中の感覚を探り、ゆっくりゆっくり解いて行く。
「……ぁ……」
吐息に混ざって聞こえた小さな声にドキッとした。
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