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第40話
やばい。
ドキドキする。
そりゃ乳首は性感帯の一つだし、少将の乳首は乳房同様女の物のように大きくなってるしで、感じるなと言う方が無理なのかもしれない。だけど喘がれちゃったらもう仕事の顔が保てなくなりそう。
いや、ダメ、絶対。
これは仕事。
これは仕事。
これは仕事。
思い込もうとした。
なのに……ぬあぁぁぁぁんて顔してるんだ!!
ガイ少将の顔をチラリと見てしまって、俺は心が悲鳴を上げた音を聞いた。
だって真っ赤だ。
あの少将が、首筋から顔から耳まで、見事に真っ赤。茹で蛸なんてもんじゃない。
「わ、わわわわ、私はっ……」
おまけに声まで震えてる。
可愛い。
あのガイ少将を可愛いなんて思う奴は、きっとこの国に俺一人しか居ないだろう。
カッコいいとか美しいとか思ってる奴は星の数程いるだろうけれど、可愛い。この人はめちゃくちゃ可愛い。
さっきの喘ぎは吐息に混ざって聞こえるか聞こえないか程度で、ため息の方がまだはっきり聞こえるってもんだ。なのにそんなんでここまで恥じらうなんて、この人いままで恋人とどんなお付き合いして来たの。
「……私はっ」
「どうかしました?」
俺は何にも気付かなかったと装って、ひどく不思議そうな眼差しを少将に向ける。
「あ、すみません、大事な事なのでちゃんと説明しますね。俺はこの乳房の中身が魔力なんじゃ無いかと思ってます。この意見はクライル大佐も同じです」
「あ、あぁ」
「ちょうどこの辺りに……」
と、言いながら乳輪に触れている指先を視線で示す。
「しこりのような物が触れます。これが解ければ魔力を放出できるんじゃないかなと、予想ですが。不快とは思いますが、堪えて下さい」
こちらがそういう目で見れば患者は当然強い不快感を持つ。
なので、何でも無い事だと、何も恥ずかしがる事は無い、普通の事だとスルーを通す。
少将は俺の態度にホッとした気配がした。
「少しでも解けれればいいんですけど……ちょっと強引に触ってもよろしいですか?」
「強引?」
「痛いです。割り切って皆さん我慢してくれますが、出来なければ別に試す必要もないかなと」
みんな我慢出来る痛みを少将程の人が我慢出来ないのなら仕方ないよね。そんな意味を込めて見つめた瞳は、不機嫌に細められた。
「構わない」
「では失礼します」
俺がやりたいのは出産したばかりの女性から初乳を搾り取るマッサージだ。産婆じゃないのでやり方の経験も知識も無いが、少将のおっぱいの中身だって間違いなく母乳が詰まっているはずもない。
広げた手のひらをおっぱいの下に押し当て、人差し指から親指までの原を使ってまずは周囲のマッサージから。ここはもう遠慮なくぐいぐい押してもんで搾り取る。ぐいぐいぐいぐい、柔らかなおっぱいの形を変えてもみまくる。
温かな体温と柔らかな感触がめちゃくちゃ気持ちいいけど、色気もへったくれも無く真っ赤になるまで揉みまくった。
さすがに痛いようで少将は顔をしかめつつも耐えてくれている。
「それで、ここがしこり」
「いっ……」
同じ勢いで乳首を摘むと、さすがの少将も痛みにうめいた。
「やめますか?」
「いや、大丈夫だ」
そりゃ大丈夫だろう、何しろこの人は腰をぶった斬られて上半身と下半身が分かれてしまった経験もあるのだから。
本人が大丈夫と言うのだから、遠慮なくしこりの部分を押してこねくり回して摘んで放して……。
「出た!!」
とうとう乳首から四方八方にぴっと透明な何かが滲み出した。
それは目には見えないのだけど、今、確かに何か出た。
乳首を摘んでいた俺の指に、確かに何かがじわっと濡れた感触があって、これは魔力なのだろうか。どうやって確かめればいいんだ、魔力だとしたら、このまま垂れ流すのはもったい無い。どうやって体内に回る形で少将に戻せばいいんだ。
どうやって。
ぱくっ。
焦った俺は、あろう事か魔力が出た方の乳首に、思わず口で吸い付いてしまった。
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