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第8話 寝物語じゃありません!

1ー8 寝物語じゃありません! 翌日、イーサンは、俺を神殿の長老のもとへと連れていった。 長老の部屋は、神殿の1番奥まった部屋で、まるで地下室のように薄暗かった。 部屋の四隅には炎が灯されていて部屋の中央にある玉座のような椅子に腰かけた人影を照らし出していた。 イーサンは、俺を連れて部屋へと入ると、その老人の前でひざまづくようにと俺を促した。 だが、老人は、穏やかに微笑んで俺たちに声をかけた。 「イーサン、このお方は、神子様に次いで尊いお方だ。そのような礼は、とらずともよい」 「はっ!」 イーサンは、老人に深々と頭を下げると俺の後ろへと下がった。 俺は、薄暗い部屋の中で白く浮かび上がっている老人の姿をじっと見つめていた。 なんか、親近感がある感じがした。 それは、どこか、その老人の醸し出す雰囲気がじいちゃんに似ていたからかもしれない。 「もっと、近くに。わしは、目がよく見えんのだよ。近くに来て、顔を見せておくれ」 老人は、俺に手招きをした。 俺は、老人の前まで歩み寄った。 老人は、白髪を短髪に切り揃えていてどこか、幼子のような雰囲気を与えていた。 やはり、他の神殿の連中と同じような白い神官の服装をしているが、他の連中と違って、冷たい印象はなかった。 「名前は?」 「俺?」 老人に聞かれて俺が聞き返すと、彼は、くぐもった笑い声を漏らした。 「お前さんの他に誰がおる?」 「尾上 連太郎、だよ」 「そうか」 老人は、俺の言葉に満足げに頷いた。 「お主も、オガミの名を持つものか」 はい? 俺は、まじまじとその老人を見た。 お主も? 老人は、自分を見つめている俺に向かって、名乗った。 「わしの名は、グーリス・オガミ。お主の遠い親戚のようなものだ」 親戚? 俺は、老人に訊ねた。 「ここは、異世界じゃねぇの?」 俺は、昨夜、イーサンの手でいかされた後、イーサンからこの世界の話を聞かされていた。 奴は、ぐったりした俺をベッドまで運ぶと、そのまま俺を横たわらせて、寝物語のように俺にこの世界の話をしてくれた。 いや! 寝物語とか言うな、俺! 俺は、まだ、清い身なんだからな!

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