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第10話 男に二言はない!
1ー10 男に二言はない!
俺は、ガキの頃からじいちゃんに育てられてきた。
俺の両親は、2人とも学者で家を留守にしていることが多かった。
だから、こういうじいさんに俺は、弱いのだ。
というか、このじいさん、やっぱ、どこかじいちゃんに似てるしな。
だが、しかし!
それとこれとは、別問題だ!
「絶対に、断る!」
俺は、きっぱりと言い放った。
こういうことは、はっきりとしとかないとな。
俺は、ぎんっとじいさんを睨み付けた。
俺は、絶対に、引くつもりはない!
すると、グーリスじいさんは、言いやがった。
「では、仕方がない。この世界も、お主のいた世界も滅ぶことになるだけだ。だが、ここにくるまでにお主をきちんと説得できなかった罪で、まずは、お主の世話係であるイーサンを死刑とすることになるな」
はい?
俺が一瞬怯むと、グーリスの爺ぃが声をあげた。
「誰か!イーサンを拘束せよ!」
「ちょっと待てよ、じいさん!」
俺は、グーリスじいさんにきいた。
「拘束して、どうするつもりだよ?」
「もちろん、死刑だ」
マジですか?
俺が戸惑いを見せると、イーサンの奴も言いやがった。
「仕方がありません。これも運命です。レン様を説得できなかった私の罪です。甘んじて刑をお受けいたします」
なんですと?
動揺している俺に、グーリスじいさんが畳み掛けた。
「全ては、お主のせいだ、レンタロウ。イーサンが死刑になるのも、世界が滅ぶのも、な」
「ぐぅっ・・」
俺は、言葉を飲んだ。
騙されるな、俺!
俺は、心の中で言っていた。
これは、決して、俺のせいなんかじゃ、ねぇし!
「ああ、どうせみんな死ぬのだ。イーサン、すまんが諦めてくれ」
「はい、長老」
イーサンは、健気に答えた。
「先に行って、皆様をお待ちしております」
俺は、焦っていた。
どうして、こうなる?
「ちょっと、やめ、やめっ!」
俺は、叫んだ。
「わかったから。わかりました。俺が神子に乳を吸われればいいんだろ!やってやるよ!」
「本当か?レンタロウ」
「ああ、男に二言はない!」
俺は、じいさんに答えた。
「それで、いいんだろうが!ああっ!」
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