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第30話 俺のことは、ほっといて!

3ー9 俺のことは、ほっといて! 俺たちは、それぞれの部屋へと導かれると、しばらく荷ほどきやらなんやらで忙しく立ち働いた。 といっても、忙しかったのは使用人さんたちだったのだが。 俺の部屋には、2人の部屋付きの使用人がいた。 1人は、ひょろりと背の高い眼鏡の茶髪に緑の目をした少年でギルバート・カーズと名乗った。 もう1人は、小柄で金髪の、青い目をした少年で、ラウル・カーズと名乗った。 2人とも、頬にそばかすが散っていて、女の子と言っても通用しそうなぐらい可愛らしい少年たちだった。 2人は、兄弟でギルバートが15才、ラウルが10才という幼さだった。 ギルバートが言うには、カーズ家は、一応貴族の末席に名を連ねる高貴な家系で、代々、王家の従者をつとめているらしかった。 「何か、ご用があればなんでも我々に仰ってください、聖母様」 ギルバートが慇懃無礼に頭を下げたので、俺は、2人に頼んだ。 「俺のことは、聖母ではなく、連太郎、と呼んでくれ。それから、俺は、自分のことはだいたい自分でできるから、ほっといてくれたらいいからな」 「はぁ・・」 俺の言葉をきいて、2人は、目を丸くしていた。 「しかし・・」 俺は、ぎろっと2人を睨むと、命じた。 「これは、お願いじゃない。命令、だからそこのところ、よろしく」 俺は、そう言うと、2人にかまわずに寝室の奥にある浴室へと向かった。 少し、埃っぽかったので風呂に入って汗を流したかった。 残りの荷ほどきは、その後でゆっくりしよう。 2人の少年たちは、浴室へと向かう俺の後ろをついてきた。 どうやら、困惑している様だった。 無理もない話だ。 彼らからすれば、俺は、我が儘なやりにくい主人なのかもしれない。 だが、俺からすれば、当然のことだった。 子供の頃から俺は、いつも1人だった。 両親は、学者でいつも家を留守にしていた。 俺を面倒見てくれてたのは、じいちゃんだった。 だが、じいちゃんは、子供の近寄りがたい大人だった。 俺は、いつも、1人で。 いつの間にか、自分のことは自分でやるということが当然のことになっていた。 それに、俺には、秘密があった。 アメリに吸われて赤く大きくなってしまった乳首のことは、絶対に誰にも知られたくはなかった。

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