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第32話 皇太子登場?
3ー11 皇太子登場?
風呂からあがると、俺は、カーズ兄の差し出す布を受け取り2人に背を向け素早く体を拭った。
そして、カーズ弟に渡された清潔な服を身に纏った。
白いフリフリのレースの飾りのついたシャツに、黒いズボンをはくと、俺は、寝室の外のリビングルームでふかふかのソファに腰かけてギルバートの入れてくれたお茶を飲んでいた。
そのとき、扉がノックされて誰かが入ってきた。
うん?
俺は、入ってきた少年をじっと見つめていた。
こいつ、どこかで見たような気がする。
俺がガン見していると、その身なりのいい少年は、微笑んで俺に軽くお辞儀をした。
「お久しぶりです、聖母様。レイテ・リア・リーゼンベルグです」
そう名乗られて初めて俺は、その少年の正体を思い出した。
そうだ。
この世界に召喚されて間もない頃、1度、挨拶に神殿に俺を訪れてくれた人だ!
確か、皇太子とか言ってたような。
今日は、あのおっかない連れは、いないのかな?
俺は、レイテのことをじっと見つめた。
赤みがかった金髪に、緑の目が思慮深そうな印象を与える絶世の美少年だ。
こういうかわいい子だと、間違いを犯してしまいそうになるのもわかるような気もした。
俺は、ぼんやりとお茶を飲みながら、レイテのことを見上げていた。
レイテは、バカみたいにずっと黙って立ち尽くしている。
そこで、俺は、はたと気づいた。
レイテは、俺が椅子をすすめるのを待っているんだ!
「ご、ごめん!俺、気がつかなくって。椅子に座ってくれるか?」
俺があわあわなっているのを見て、レイテは、くすり、と笑った。
うん。
さすが、王族だな。
レイテは、どことなく品がある美少年だった。
俺は、レイテに見つめられて不覚にも、ドキドキしていた。
こんな子が相手なら、男同士でも無理じゃないのかも。
俺は、もともとストライクゾーンの広さには自信があった。
子供の頃から、じいちゃん監督による厳しい禁欲生活を送ってきたせいで、女なら誰でもいける自信はあった。
それが、こっちの世界では、時々、男でもいけそうな気がすることがあった。
もちろん、こういうかわいい系の女の子みたいな子ならってことだがな。
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