33 / 123

第33話 それは、無理ですから!

3ー12 それは、無理ですから! もちろん、俺は、のんけだ! 普通に、男とは、友達以上の関係にはなれそうになかった。 だけど、男ばかりのこの世界では、レイテみたいな美少年は、姫ポジションなんだよ! この世界では、普通に男同士で子供を作るとか、グーリスじいちゃんが言ってたしな。 俺は、不覚にもレイテに胸がときめいていた。 レイテは、そんな俺を知ってか知らずか、くすっと笑った。 「そんなに緊張しなくっても大丈夫だ。私たちは、決められた婚約者同士だが、いきなり襲ったりはしない」 はい? 俺は、まじまじとレイテの方を見つめた。 俺たち、婚約者なの? 俺は、心の中でガッツポーズをしていた。 いける! いけるぞ! この子なら、俺、孕ませられる自信がある! レイテは、俺の手をとってにっこりと微笑んだ。 「将来の国母となるのだ。なにぶん不馴れなことだろうが、しっかりと学園で学び、立派な王妃となってくれ、レンタロウ。私も、できるだけ君の力になれるように努力する」 うん? 俺は、夢心地でレイテに笑いかけていた。 何? 俺は、レイテに手を握られてドキドキしていた。 今までの人生で、俺は、女の子とも手を繋いだことがなかった。 この三白眼のせいで、女の子たちは怖がってお話もしてくれなかった。 だから、こんなに女の子(みたいな子)にモテたことは初めてだった。 でも、積極的な子だな。 俺、この調子で結婚するまで我慢できるのか? レイテは、はにかむような微笑みを浮かべて俺を見つめた。 「ああ、君が可憐すぎて、私は、結婚まで我慢できる自信がないよ、レンタロウ」 「お、俺も」 俺は、レイテに言った。 「でも、俺、初めてだから、その・・」 やっぱり、童貞は、この世界でもバカにされるのか? 俺は、身構えていた。 だが、レイテは、優しく俺の手をとったまま、応じた。 「大丈夫、だよ、レンタロウ」 レイテは、俺の隣に席を移してきて、俺を見上げた。 「全ては、私に、任せて欲しい」 マジか? レイテは、俺にそっと口づけをした。 「んっ・・」 初めてのキスに、俺は、ドキドキを通り越してすっかり酔いしれていた。 レイテは、仄かに甘い香りがしていた。 俺は、レイテのことを抱き寄せた。 小柄なレイテは、俺の腕の中にすっぽりとおさまってしまった。 「絶対に、幸せにするから!」 俺は、レイテの耳元で囁いた。 レイテは、はっと目を見開いて俺を見つめていた。 「レンタロウ」 「れ、レイテ、さん」 俺は、レイテのことを抱き締めて囁いた。 「好き(かもしれない)です」 「うれしい、レンタロウ」 レイテは、俺の背に両手を回して俺を抱き返した。 「私を受け入れてくれるんだな」 うん? 俺は、ともかく夢中で頷いた。 俺、このまま、童貞じゃなくなっちゃうのかも。 「レンタロウ」 レイテは、俺をソファに押し倒した。 はい? 俺は、何か、違和感を覚えていた。 だが、俺は、もう、レイテを抱く気満々だった。 俺は、レイテを抱いて、目を閉じた。 さらば、童貞の日々よ! 俺は、もう、リア充の仲間入りを果たすんだ! だが。 レイテは、俺の下半身へと手を伸ばしてくるとそこを執拗に撫で回してきた。 俺は、無理矢理、自分を納得させていた。 なんて積極的な子なんだ! やがて、レイテの手が俺のズボンを下ろし、下着の中へと侵入してきた。 そして。 あろうことか、レイテは、その白いしなやかな指先で俺の後孔をまさぐり始めた。 「レンタロウ・・ここに、私を迎え入れてくれ!」 はい? 俺は、そこで初めて気がついた。 この人、俺のこと、抱く気満々じゃん! 俺は、レイテの両手を掴んでレイテを阻もうとした。 「や、やめてくれ!中止!なしだ!」 「ええっ?」 一瞬、レイテが信じられないというような表情を浮かべた。 だが、レイテは、すぐに、俺から体を離すと俺にそっと囁いた。 「ああ、怖くなったんだね、レンタロウ。 わかっている、初めてだものな」 レイテは、俺の頬にそっと口づけをした。 「大丈夫、こんなことで君を嫌いになったりしない。愛しているよ、レン」 いや。 俺は、涙目で思っていた。 無理ですから!

ともだちにシェアしよう!