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第55話 悪い予感確定!
5ー11 悪い予感確定!
はい?
お初染め?
俺は、もう、悪い予感確定していた。
グーリスのじじいは、俺にそっと耳打ちをした。
「で?お主は、誰を初染めの相手に選ぶのじゃ?レンタロウ」
俺の座っている大きな円形のベッドを囲んで、その回りには、5人の仮面をつけフードで全身を隠した男たちが立っていた。
「事実上、聖母様の初染めの相手をつとめた者が次の王となる。よく考えて決めるのじゃ、レンタロウ」
「いや」
俺は、じいちゃんに涙目になりながらきいた。
「誰も選びたくないんだけど?」
この5人の男たちは、この国の王となる資格を持つ者たちだという。
おそらく、この中の誰かがレイテであり、そして、その兄のルーシェなのだろう。
でもな。
俺は、絶対に、嫌なんだよ!
「怯えておるのか?レンタロウ。無理もない」
グーリスじじいは、うんうんと頷いた。
「予定よりもずっと早いお初染めとなったしな。お主の気持ちは、わかる。だが、これは、避けては通れぬことなのだよ」
マジでかよ?
俺は、自分を取り囲んだ男たちを凝視していた。
白いローブを着て、白い仮面をつけているそいつらは、みな、どこの誰ともわからなかった。
「いや・・その・・」
俺は、グーリスのじいちゃんを上目使いで見上げた。
「絶対にこの中の誰かを選ばないといけないんですか?」
「だめじゃ」
マジですか?
俺は、うつ向いて困惑し果てていた。
とにかく。
その、キツそうな相手は、避けたいな。
と、考えて、俺は、我に返った。
なんで、俺、男と寝る気になってんだよ!
俺は、ふぃーっと吐息をついた。
危なかった!
俺、この場の雰囲気に流されて、危うく男と寝るとこだった!
なんとか、回避しなくては!
「もし、俺がこの中の誰も選ばなかったら、どうなるわけ?」
「そのときは」
グーリスじじいは、俺の問いに真面目な表情で応じた。
「全員と肌を合わせてもらうことになる」
うわぁっ!
地獄のコースだ!
俺は、俺を取り囲んでいる男たちを見回した。
5人。
5人もいるんだぞ?
「・・もしも・・」
俺は、グーリスのじじいに訊ねた。
「俺がこの中以外の誰かを選んだときは、どうなるんだよ?」
「そのときは」
グーリスじじいが答えた。
「その者が1代のみの王となる」
俺は、頭を抱えていた。
が、やがて、俺は、口を開いた。
「俺が選ぶのは・・」
「誰じゃ?レンタロウ」
「えっと」
俺は、ふと思い付いた。
奴なら、大丈夫じゃね?
俺は、その名を口にした。
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