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第81話 プチストーカーですか?

8ー2 プチストーカーですか? フェイスタさんに嫌われているのはわかっていたが、俺は負けずに 毎日店に通って働いた。 まず、店の掃除から始めた。 なんとなく暗い印象のする店の中を掃除して、窓際にちょっと家の畑から摘んできた草花を置いてみたり、店先に、アリストリアさんに作ってもらったリースを飾ってみたりした。 そして、店の商品も、並びを変えてみた。 売れ筋の商品だと思われる石鹸とか、化粧品とかを手に取りやすい場所に移し、あまり売れそうにない魔道具みたいなものを奥の棚に並べた。 そして、これは、内緒だったけど、少しだけ商品の改良もしてみた。 アリストリアさんと家で作ってみたいい香りのするキャンドルとか、石鹸とかを店先に並べてみた。 そういった俺の努力の甲斐もあってか、俺が店で働き初めてから徐々に店の売り上げは延びていった。 最初は、嫌がっていたフェイスタさんも苦手な客の対応をしなくてもいいし、俺のやることに口出しはしなくなった。 それどころか、フェイスタさんは、機嫌のいいときには俺に薬の調合を教えてくれるようになっていた。 店で働き初めて2ヶ月が経った頃には、俺の立場は、店の小使いさんから薬師の助手にまで上がり、今では、フェイスタさんの忙しいときには簡単な薬なら俺が調合するようになっていた。 フェイスタさんも、俺のことを認めてくれたみたいで給料もだいぶんあげてくれた。 俺のもともとのバイト料は、一日につき銅貨3枚だった。 銅貨1枚で果実水が1杯買えるので、だいたい300円ぐらいの価値があるのかな? つまり、1日2時間ほと働いて1000円程の給料だったから、時給に換算したら500円ぐらいだったわけだ。 それをフェイスタさんは、銅貨15枚まで上げてくれた。 「もっと難しい調合を覚えたらもっと上げてやる」 フェイスタさん、マジ、神かも。 アメリとイーサンは、俺が嬉々として変人の呼び名も高い薬師のもとに通っていることを心配しているみたいだった。 時々、2人とも店の外から俺のことを見ていることがあるのを、俺は、知っていた。 けど、スルーすることにした。 実害はないしな。 だけど、騎士団員としての職務に励んでいるイーサンはともかくとして、アメリは、暇なのかしょっちゅう覗きに来ていてお得意さんたちにも覚えられていた。 「また、兄ちゃんの彼氏がきてるぞ!」 近所でパン屋をしているフランツさんが俺に教えてくれるようになった。 そのうちには、フェイスタさんまでが気づくようになって、俺は、アメリにもう、店に来るなとお触れを出したのだった。

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