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第100話 ご懐妊ですか?

9ー9 ご懐妊ですか? それから、しばらくして、俺は、また体調を崩した。 吐き気がして何も食べられない。 俺は、だんだん痩せていった。 アメリに会えない日々が続いているからかもしれない。 俺は、何度も、神殿へとアメリを尋ねていったのだが、アメリには会わせてもらえなかった。 アメリが吸わなくなったせいか、俺の乳は、張って痛いほどだった。 時々、溢れ出してシャツがぐっしょりと濡れていることもあった。 そんなある日、俺は、バイト中に倒れてしまい、そして、フェイスタさんは、俺に言った。 「いくら病気じゃないとはいっても、あまり無理はしちゃいけないぞ、レンタロウ」 はい? 俺は、ハトマメ状態で驚いていた。 病気じゃない? だって、俺、吐き気がして、何も食べられないし、なんだか微熱も続いてて、こんなにふらふらなのに? 俺は、フェイスタさんの病気じゃない発言は、俺を思いやってのことだと思っていた。 やっぱり、俺は、もうだめなのかもしれない。 アメリを失って、俺はもう、死んじゃうのかも。 俺がそう思い込んでいると、夕食後、俺の様子をじっと見つめていたイーサンが俺を不意に抱き上げてベッドまで運ぶと、俺を横たわらせて、頬に掠めるようなキスをした。 「ああ、レン様。あなたがそんな顔をしていてはアメリ様も悲しみます。なにしろ、あなたの体には、今、将来のこの国の王が宿っているのですから」 はい? 俺は、きょとんとしてイーサンを見上げていた。 何、いってんですか? しばらく、俺は、ぼぅっとイーサンの顔を見つめていた。 そして。 その意味に気づいて、俺は、かぁっと頬が熱くなった。 「む、無理無理無理!無理だから!俺が子供を産むなんて、絶対、無理だろっ!!」 「大丈夫です、レン様」 イーサンは、俺の手を取るとそこに口づけた。 「あなたは、1人ではない」 マジですか? 俺の心は、不安とか、恐怖とか、いろんな感情が渦巻いていて、俺は、すっかりパニック状態だった。 でも。 イーサンの言葉を聞いていると、俺の心は、だんだん落ち着いていった。 「大丈夫。レン様。アメリ様を無事に育てたあなたです。きっと、大丈夫です」 イーサンは、俺の耳元で繰り返し囁いた。 俺は、イーサンの囁く声をききながら、そのまま眠りについた。

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