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第101話 暇なんですか?

9ー10 暇なんですか? 翌朝、ぱっちりと目が覚めると、俺は空腹を感じていた。 腹がへった。 俺は、体を起こしてベッドから出ようとした。 でも。 ベッドの脇には、イーサンがいて椅子に腰かけたまま眠っていた。 ええっ? 俺は、少し、焦っていた。 俺が寝てる間、この人、見守ってくれてたの? なんか。 恥ずかしいっ! 俺は、そっとベッドから抜け出すと、イーサンに歩みより毛布をかけてやった。 「レン様?」 「えっ?起こしちゃった?ごめん」 俺は、イーサンから離れて部屋から出ていこうとしていたんだが、イーサンは腕を掴んで俺を引き留めた。 「イーサン?」 「レン様」 イーサンは、俺を引き寄せ膝の上へ座らせると俺をぎゅっと抱き締めた。 「あなたの夫は、アメリ様1人ではない。それを理解して欲しい。我々も、あなたの力になりたいのです」 「イーサン・・」 おれは、イーサンに抱かれて、その温もりに包まれて、久しぶりに心の底から安心感を感じていた。 俺は、自然と涙が流れるのを堪えきれなかった。 俺、不安だったんだ。 アメリが神殿に戻らされてしまって、会いに行っても会わせてもらえないし。 そんなときに、妊娠とかしてしまって。 不安で、不安で。 押し潰されそうになっていた。 「もう、大丈夫ですよ、レン様」 イーサンは、俺を抱いて優しく頭を撫でてくれた。 「あなたは、1人ではないのですから。あなたには、我々がついています」 「うん・・」 俺は、涙を拭いながら、イーサンの胸に頬を押し付けて呟いた。 「ありがとう、イーサン」 その日から、夫たちによる俺の甘やかし生活が始まった。 朝、目覚めるとイーサンが横にいて俺を抱き締めてくれてるし、ルイスは、毎日学園へと誘いに来てくれ、学園でも俺の側につきっきりだった。 イーサンが任務でいないときは、光の精霊王と魔王の2人が俺の側にいてくれた。 2人でかいがいしく俺の世話を焼いてくれる。 2人は、それぞれゲートをこの家の地下室にゲートを開いてそれぞれの城から行き来自由にしてしまっていた。 ほんとに、精霊王とか、魔王とかって、暇なのかな? レイテだって、いろいろ忙しくって夜に少ししか顔を出せないのに、この人たちが自分の城をこんなに開けてていいの? 俺は、そんな疑問も感じていたが、2人の愛情を甘受していた。

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