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第122話 迎えがきました。

11ー6 迎えがきました。 産まれた赤ん坊たちは、全員が元気な男の子たちだった。 俺は、子供たちをそれぞれラン、スー、ミキと名付けた。 赤っぽい髪をした子がランで、銀の髪の子がスー、最後の灰色の髪の子がミキだ。 みな、どの子もかわいい子ばかりだ。 俺は、子供たちに乳を与えた。 実は。 今でも、クメは、時々、子供たちに混じって俺の乳を飲んでいた。 「親なのに、子供と一緒に乳を飲んだら変かな?」 クメは、俺にきいたけど、俺は、別にいいんじゃないか、と答えただけだった。 だって。 男の俺が子を生んだんだ。 何があってもおかしくなんてないだろ? そうして、一年ほどが過ぎた頃のことだった。 外から神子と名乗る人物がやってきた。 それも、1人じゃなかった。 神子を含めて4人の男たちが、いきなり洞窟を訪れたのだ。 男たちは、俺とクメと子供たちを見て、なぜか、動揺していた。 でも、神子だけは、目を潤ませていた。 神子は、どこか、ランに似ていて。 俺は、好感を持った。 神子は、白い服を着ていて、なんだか懐かしいような匂いがした。 「レンタロウ」 なぜか、神子は、俺の名を知っていて。 神子は、俺の前まで歩み寄ると、俺にひざまづいて、俺の手をとった。 「遅くなってすまなかった、レン。迎えにきたんだ。一緒に帰ろう」 はい? 俺は、ハトマメ状態で神子にきいた。 「なんで?」 「レン?」 神子は、泣きそうな顔をした。 「俺、だよ?覚えてないの?アメリ、だよ」 うん? アメリ? 俺は、何かを思い出しそうになっていた。 「アメリ・・?」 「思い出したのか?レン」 アメリは、俺の手を握って懇願した。 「一緒に帰ろう、レン」 俺は。 だんだんと、いろんなことを思い出して。 アメリの他にも、レイテ、イーサン、ルイス、と俺の夫たちがみんなで俺を迎えに来てくれていた。 だけど。 俺は、帰ることを躊躇していた。 だって、子供たちは、クメにすっかりなついていて、クメを父親だと思っているし。 俺は、クメと子供たちを引き離したくはなかった。 それに、俺は、クメをこんなさみしいところに1人残して行きたくなかった。 俺は、クメを夫の内の1人にすることをみんなに伝えた。 俺の夫たちは、全員でしばらく話し合っていたが、やがて、俺に向き合った。 「そいつは、リヴァイアサンだ。世界を滅ぼす怪物だぞ、レンタロウ」 「そんなこと、知ってるって!」 俺は、みんなに応じた。 「それでも、俺の大切な人なんだよ!」 夫たちは、いったん地上へと帰っていった。 「レン」 クメが俺のことを背後から抱いてきいた。 「お前も、行ってしまうのか?」 「いや」 俺は、クメの手に触れて答えた。 「俺は、どこにも行かないよ」

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