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― 巡る想い ③ ★

 リンデの街に帰り着き、シモンと別れた後、屋敷に入る前にイリアスは海人の耳元で囁いた。 「森での話の続きがしたかったら、今夜部屋に来い」  海人は全身が火照るのを感じた。  かくして、海人は屋敷の人たちが寝静まった夜、イリアスの部屋の前に来ていた。  ノックをしようとしたら、部屋の扉が開いた。  海人はためらいなく部屋に入り、自らの手で扉を閉める。  イリアスを見上げると同時に抱きすくめられて、キスをされた。  夜中に部屋に呼ばれて、入る意味までわからない海人ではない。  お互いの気持ちを確かめるように、深くて長いキスをした。  しばらく深いキスと浅いキスを繰り返していたら、海人は身体の芯が熱くなってきた。  熱を持ったことが恥ずかしくて少し体を離したら、イリアスが腰を抱いた。密着したところが熱い。海人が唇を離すと、ベッドに移動した。  イリアスが覆いかぶさってきて、海人は緊張しながら、されるまま受け入れた。  首筋にキスをされ、胸、腹と降りながら、イリアスの熱い手が体を撫でていく。  海人は恥ずかしくて腕で顔を隠した。イリアスが触るところに意識がいく。特に腰のあたりを指先でなぞられ、撫でられると、体の中心が脈打つのがわかった。  感じてしまったところを優しく握られ、海人の呼吸が早くなる。  まもなく達しようとしたとき、急に手を放された。  そしてまた、腿の内側など際どいところを撫でられる。  海人はもどかしくなって、自分で触ろうと手を伸ばしたら、その手を搦めとられた。触らせてくれなかった。  イリアスが触るところがどんどん敏感になっていき、海人はよどみなく押し寄せてくる快感に息が荒くなっていく。  なかなか達することができずに、何度かのけ反った。  その晩、海人は終始、イリアスの手に翻弄され続けた。

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