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第8話

「……幼少期に同じような言動をしたものはおりません。ただ私の家系は自殺したものが多く……私の兄も三年前に自ら命を断ちました。それがこの件と関係するかは分かりません。親類でこのような症状が出た話も聞いてはおりません。ただ……精神を病む者が多い印象ではあります」  憑き物筋の家系の典型的な例だ。さらに神川先生は聞く。 「非常に聞きづらいことなのですが、お兄様はどのように命をたたれたのですか?」 「……自分の腹にナイフのようなものを突き立ててなくなっておりました。警察の方が調べた結果凶器は見つからなかったのですが、状況から自殺と判断されました」  見つからなかった凶器。これはおそらく怪猫の爪……だと思われる。一瞬だけ半実体化し自らの腹を切り裂いたのだろう。 「成程……。  我々の事前調査の結果、ご主人の家系は希少な怪猫憑きの家系であることがわかっております」 「怪猫憑きですか……」

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