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第17話

「おうよ、まあ頑張って修行すんだな」  そう言って握手をする手もか細くしなやかだった。俺は生まれて初めてこんなに綺麗な人間を見たと思った。最初の意気はどこへやら、すっかり大人しくなってしまった俺に付き添いできていた俺の両親は驚いたようだった。  神川先生の修行は厳しかったけれど、楽しかった。最初の頃はとにかく霊力を上げるために山登りと瞑想と滝行をさせられ、集中力と体力を高めた。本来であれば中学校へ通うはずの時間をそうして過ごす傍ら、神川先生は勉強も全教科教えてくれた。  そうして二年が経つころには、俺は十二天将を式として扱う訓練をさせられた。十二天将はかつて安倍晴明が扱っていたというとても位の高い式神たちである。安倍晴明以降は一部を扱う者がいたけれど、十二天将全てを扱えるのは安倍晴明以来だそうだ。また本来三年で終えるはずの中学校の勉強も全て終わり、高校生の範囲の勉強をし始めていた。 この頃の俺は十二天将を扱えると言っても各式神の能力の一部だけだったり、短い時間だけしか扱えなかったりしたので、訓練を重ねた。時には制御しきれなかった式神の力の反動で大やけどをしたこともあった。

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