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第18話

 俺が神川先生に師事してから三年後に九条が弟子入りをした。九条は一見爽やかな好青年だったので、中身を知るまでは良き弟子仲間ができたと思っていた。 「俺ぁ九条 信嗣。よろしく神川先生」 「おう、よろしくな」  こいつ性格が見た目通りでないことはすぐにわかった。なんせ修行はすぐにサボるし当時十八歳だというのにこっそりお神酒をちょろまかしては飲むしでとんだ問題児だった。神川先生も叱りはしたが、「まあほどほどにな」とあまり真剣ではない様子で、俺はそれが気に入らなかった。  次第に九条と俺は対立していった。何せ向こうからしたら三つも年下のガキが十二天将を使役しようとしているのだから面白くない。九条は俺も式神を使うと最初はいきがっていたが、全くセンスがなかったようで低級な式を数体扱うのがやっとのようだった。しかし人に対しても物の怪に対しても説得あるいは言いくるめるのが得意な性分らしく、調伏に関しては一級のセンスがあった。これは俺が面白くなかった。なんせ俺は人に対しても物の怪に対しても説得するセンスのない口下手な性分だからだ。

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